Y2023M10E1Q16|第2023年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
金属などによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、ベリリウム、マンガン、クロム、カドミウム及び金属水銀による特徴的な健康障害を区別します。
選択肢3に挙げられた低分子蛋白尿などは、クロム中毒の代表的症状ではありません。クロムでは、皮膚潰瘍、鼻中隔穿孔、呼吸器がんなどが重要です。
解説
金属中毒は、物質ごとに標的臓器が異なります。物質名と代表症状を結び付けて整理します。
ベリリウムでは、皮膚接触による接触皮膚炎、吸入による急性肺炎、慢性ベリリウム症による肉芽腫性肺疾患などがみられます。
マンガンは中枢神経系に影響し、歩行障害、発語障害、筋緊張亢進、仮面様顔貌など、パーキンソン症候群に似た症状を起こします。
クロム、特に六価クロム化合物は、皮膚や粘膜への強い刺激・腐食作用を持ちます。クロム潰瘍、鼻中隔穿孔、鼻や肺のがんなどが重要です。
カドミウムでは、急性吸入により上気道炎、化学性肺炎、肺水腫などが起こることがあります。慢性ばく露では腎尿細管障害を生じ、低分子蛋白尿がみられます。歯の黄色着色や嗅覚障害などが記載されることもあります。
金属水銀の蒸気を慢性的に吸入すると、感情不安定、興奮、不眠、幻覚などの精神神経症状と、手指の震えがみられます。
ひっかけポイント
低分子蛋白尿はカドミウム、鼻中隔穿孔は六価クロム、パーキンソン様症状はマンガンです。
化学物質管理のポイント
金属粉じんやヒュームでは、発生源の密閉化、局所排気、湿潤化、清掃、防じんマスク、特殊健康診断を組み合わせます。
選択肢の確認
1.ベリリウム中毒では、接触皮膚炎、肺炎などの症状がみられる。
記述としては正しい。
ベリリウムでは接触皮膚炎、急性肺炎、慢性の肺障害などがみられます。
2.マンガン中毒では、歩行障害、発語障害、筋緊張亢進などの症状がみられる。
記述としては正しい。
マンガン中毒では、歩行障害、発語障害、筋緊張亢進などのパーキンソン様症状がみられます。
3.クロム中毒では、低分子蛋白尿、歯への黄色の色素沈着、視野狭窄などの症状がみられる。
正答。記述としては誤り。
クロム中毒の代表的障害は、皮膚潰瘍、鼻中隔穿孔、呼吸器がんなどです。低分子蛋白尿は主にカドミウムによる腎尿細管障害で問題になります。
4.カドミウム中毒では、上気道炎、肺炎、腎機能障害などがみられる。
記述としては正しい。
カドミウムでは、急性吸入による上気道炎・肺炎と、慢性ばく露による腎機能障害がみられます。
5.金属水銀中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害、手指の震えなどの症状がみられる。
記述としては正しい。
金属水銀中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害と、手指の震えが代表的です。
覚えるポイント
- ベリリウムでは皮膚炎と肺障害が重要である。
- マンガンではパーキンソン様の神経症状がみられる。
- 六価クロムではクロム潰瘍、鼻中隔穿孔、呼吸器がんが重要である。
- カドミウムでは腎尿細管障害と低分子蛋白尿が重要である。
- 金属水銀では精神神経症状と手指振戦がみられる。