Y2024M04E2Q30|第2024年4月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、体温調節中枢、恒常性、寒冷時の血管反応、汗の蒸発による体温低下及び不感蒸泄が問われています。
体温調節中枢は間脳の視床下部にあり、自律神経系、内分泌系、筋肉などを介して熱の産生と放散を調節します。
解説
体温調節中枢は、間脳の視床下部にあります。視床下部は体温情報を受け取り、皮膚血管、汗腺、骨格筋、内分泌系などに働きかけて、熱の産生と放散を調節します。
暑熱時には皮膚血管を拡張し、発汗を促して体熱を放散します。寒冷時には皮膚血管を収縮させて皮膚血流量を減らし、体表面からの熱放散を抑えます。必要に応じて、ふるえによる熱産生も起こります。
外部環境が変化しても身体内部の状態を一定の範囲に保つ仕組みは、恒常性又はホメオスタシスといいます。同調性ではありません。
体重70kgの人について、人体の比熱を約0.83kcal/kg・℃、汗1gの蒸発によって奪われる熱を約0.58kcalとして計算すると、次のようになります。
- 人体の熱容量:70kg × 0.83kcal/kg・℃ = 約58.1kcal/℃
- 汗10gが蒸発するときの放熱量:10g × 0.58kcal/g = 約5.8kcal
- 体温低下:5.8kcal ÷ 58.1kcal/℃ = 約0.1℃
したがって、汗10gの蒸発で体温が約1℃下がるという説明は誤りです。約1℃下げるには、計算上、約100gの汗が蒸発する必要があります。
不感蒸泄は、本人が意識しないまま皮膚や呼気から失われる水分で、汗腺から分泌される発汗とは区別します。
衛生管理者としての実務ポイント
高温作業では、WBGT、作業時間、休憩、水分・塩分摂取、暑熱順化及び労働者の体調を確認し、熱中症の予防対策を実施します。
選択肢の確認
1.体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。
正答。記述としては正しい。
視床下部には体温調節に関係する中枢があり、発汗、皮膚血管の収縮・拡張、熱産生などを調節します。
2.体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
記述としては誤り。
身体内部の状態を一定の範囲に保つ仕組みは、同調性ではなく恒常性又はホメオスタシスといいます。自律神経系や内分泌系などが連携して調節します。
3.寒冷な環境においては、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
記述としては誤り。
寒冷時には皮膚血管が収縮し、皮膚血流量を減少させます。これにより体表面からの熱放散を抑えます。
4.計算上、体重 70kgの人の体表面から 10g の汗が蒸発すると、体温が約 1℃下がる。
記述としては誤り。
汗10gが全て蒸発した場合の体温低下は約0.1℃です。約1℃下がるのは、計算上、約100gの汗が蒸発した場合です。
5.不感蒸泄とは、水分が発汗により失われることをいう。
記述としては誤り。
不感蒸泄は、意識されないまま皮膚や呼気から失われる水分です。汗腺から分泌される発汗とは区別されます。
この問題では「正しいもの」を選ぶため、1が正答です。
覚えるポイント
- 体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。
- 恒常性は、身体内部の状態を一定の範囲に保つ仕組みである。
- 寒冷時は皮膚血管が収縮し、熱放散を抑える。
- 汗10gの蒸発による体温低下は、計算上約0.1℃である。
- 不感蒸泄は、皮膚や呼気から意識されずに失われる水分である。