32PM110第32回 柔道整復師国家試験 過去問

柔道整復理論・外傷学骨折各論橈骨遠位端・手部骨折

10歳の女児。ソフトボールで捕球した際、右手小指が外転強制された。右第5MP関節の腫脹と、基節骨基部に限局性の圧痛がみられる。MP関節伸展では小指は外転位をとり環指から離れている。DIPおよびPIP関節に異常はなかった。考えられるのはどれか。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

小児の外傷では、靱帯損傷だけでなく骨端線損傷を考えることが重要です。

本症例では、第5指基節骨基部の限局性圧痛と外転変形から、基節骨骨端線離開が考えられます。

解説

小児では骨端線が力学的に弱いため、成人であれば靱帯損傷となるような外力でも、骨端線離開として発生することがあります。

本症例では、ソフトボール捕球時に小指が外転強制され、第5MP関節部に腫脹と基節骨基部の限局性圧痛がみられます。

MP関節伸展で小指が外転位をとり環指から離れていることから、基節骨基部の骨端線損傷によるアライメント異常が示唆されます。

DIP関節とPIP関節に異常がないため、損傷部位は指先側ではなくMP関節周囲、特に基節骨基部と考えます。

小児外傷での注意点
小児では、圧痛が骨端線部に限局する場合、単なる捻挫と判断せず骨端線損傷を疑います。成長障害や変形を残さないために医科評価が重要です。

選択肢の確認

1.MP関節捻挫
誤り。
MP関節捻挫でも腫脹や疼痛はみられますが、小児で基節骨基部に限局性圧痛があり、小指の外転位が明らかな場合は骨端線離開を考えます。

2.中手骨骨頭骨折
誤り。
中手骨骨頭骨折では中手骨頭部に圧痛が出やすく、関節面損傷によるMP関節運動障害が問題になります。本症例では基節骨基部の限局性圧痛がポイントです。

3.中手骨頸部骨折
誤り。
第5中手骨頸部骨折では、いわゆるボクサー骨折として中手骨頸部の圧痛や掌側屈曲変形が重要です。本症例の受傷機転と圧痛部位とは合いません。

4.基節骨骨端線離開
正しい。
10歳女児で小指外転強制、基節骨基部の限局性圧痛、MP関節伸展時の小指外転位がみられるため、基節骨骨端線離開が最も考えられます。

覚えるポイント

  • 小児では骨端線が弱く、骨端線離開を起こしやすい。
  • 基節骨基部の限局性圧痛は骨端線損傷を疑う。
  • 外転強制で小指MP関節周囲を損傷することがある。
  • 小児の捻挫様外傷では骨端線損傷を見逃さない。

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