32PM67第32回 柔道整復師国家試験 過去問

病理学・一般臨床医学整形外科疾患骨腫瘍・骨粗鬆症

78歳の女性。自宅で尻もちをついた際に腰痛が生じ、動けなくなったため救急車で病院へ搬入された。腰痛は強かったが、下肢の動きは保たれていた。単純エックス線像を別に示す。正しいのはどれか。

32PM67の問題画像
解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.脆弱性骨折である。

この問題のポイント

78歳女性が、尻もちをついた後に強い腰痛を訴えています。
高齢女性に軽微な外力で急性腰痛が生じた場合は、骨粗鬆症を背景とした椎体圧迫骨折を考えます。

図の単純エックス線像では、椎体がつぶれて椎体高が低下している所見がみられます。
これは椎体圧迫骨折を疑う所見であり、軽微な外力で生じた骨折なので脆弱性骨折にあたります。

画像所見

単純エックス線側面像では、腰椎の椎体に圧潰を疑う所見がみられます。
椎体の高さが低下し、前方がつぶれたような楔状変形を示しており、椎体圧迫骨折を考える画像です。

椎体圧迫骨折は、骨粗鬆症のある高齢者に多く、転倒や尻もちなどの比較的軽い外力でも発生します。
この症例では、78歳女性、尻もち後の強い腰痛、下肢運動は保たれている、という経過からも、骨粗鬆症性椎体圧迫骨折が最も考えやすいです。

したがって、正しいのは「脆弱性骨折である」です。

疾患の考え方

脆弱性骨折とは、正常な骨であれば骨折しない程度の軽い外力で起こる骨折です。
代表的な背景疾患は骨粗鬆症で、高齢女性では特に重要です。

椎体圧迫骨折では、急性の強い腰背部痛がみられます。
一方で、この症例のように下肢の動きが保たれている場合は、明らかな脊髄・神経根障害を伴っていない可能性が高く、まず保存療法が検討されます。

保存療法としては、安静、鎮痛、コルセットなどの外固定、リハビリテーションなどを行います。
神経症状、著しい不安定性、疼痛の遷延などがある場合には、手術や椎体形成術などが検討されることもありますが、手術が常に第一選択ではありません。

選択肢の確認

1.脆弱性骨折である。
正しい。
高齢女性が尻もちという軽微な外力で腰痛を生じ、画像で椎体圧迫骨折を疑う所見がみられます。骨粗鬆症を背景に軽微な外力で起こる骨折は脆弱性骨折です。

2.皮膚症状を合併する。
誤り。
皮膚症状を伴う腰背部痛では帯状疱疹などを考えることがあります。しかし、この症例では尻もち後に腰痛が出現し、エックス線像で椎体圧迫骨折を疑う所見があるため、皮膚症状を合併する疾患を考える問題ではありません。

3.疼痛は軟骨の摩耗による。
誤り。
軟骨の摩耗による疼痛は、変形性関節症などで考えます。この症例では、尻もち後に急に強い腰痛が生じており、画像所見からも椎体圧迫骨折による疼痛を考えます。

4.手術治療が第一選択である。
誤り。
椎体圧迫骨折では、下肢麻痺などの神経症状や著しい不安定性がなければ、まず保存療法が選択されることが多いです。この症例でも下肢の動きは保たれており、手術治療が第一選択とはいえません。

覚えるポイント

  • 高齢女性の尻もち後の強い腰痛では、椎体圧迫骨折を考える。
  • 椎体圧迫骨折では、エックス線像で椎体高の低下や楔状変形に注目する。
  • 骨粗鬆症を背景に、軽微な外力で起こる骨折は脆弱性骨折である。
  • 下肢の運動や感覚が保たれているかを確認し、神経症状の有無をみる。
  • 神経症状や強い不安定性がなければ、保存療法が選択されることが多い。
32PM67の解説画像

関連問題

32PM6632PM68
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)