33PM111第33回 柔道整復師国家試験 過去問

柔道整復理論・外傷学軟部組織損傷体幹・胸郭・鼠径部障害

24歳の女性。事務員で一日の大半がデスクワークである。数か月前から腰痛を自覚し、痛みが徐々に強くなったため来所した。腰部は前弯が強く、後屈で痛みが増悪する。SLR検査は陰性で、下肢の感覚異常や筋力低下はみられない。考えられるのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、長時間のデスクワーク、腰椎前弯増強、後屈時痛から腸腰筋拘縮を考えます。

腸腰筋が短縮すると股関節が屈曲位に引かれ、骨盤前傾と腰椎前弯増強が起こりやすくなります。その結果、腰椎後方要素への負担が増えて腰痛が出やすくなります。

解説

腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋を中心とする股関節屈曲筋です。長時間座位では股関節屈曲位が続くため、腸腰筋が短縮・拘縮しやすくなります。

腸腰筋拘縮では、骨盤が前傾し、腰椎前弯が強くなります。腰椎後屈ではさらに前弯が増強し、椎間関節など腰椎後方へのストレスが増えるため疼痛が出やすくなります。

SLR検査が陰性で、下肢の感覚異常や筋力低下がないことから、神経根症状を伴う椎間板ヘルニアは考えにくいです。若年者で慢性的なデスクワーク背景がある点も腸腰筋拘縮を支持します。

鑑別のポイント
腰痛では、下肢症状の有無が重要です。しびれ、筋力低下、SLR陽性があれば神経根障害を考えますが、この症例ではそれらがみられません。

選択肢の確認

1.腸腰筋拘縮
正しい。
長時間座位により腸腰筋が短縮すると、骨盤前傾と腰椎前弯増強が起こります。後屈で腰痛が増悪し、神経症状がない点から腸腰筋拘縮が考えられます。

2.脊柱管狭窄症
誤り。
脊柱管狭窄症では、間欠性跛行、下肢のしびれ、前屈で軽快し後屈で悪化する症状がみられます。高齢者に多く、この症例の年齢や下肢神経症状がない点とは合いにくいです。

3.変形性腰椎症
誤り。
変形性腰椎症は加齢性変化を背景にみられやすく、椎体や椎間関節の変性が関係します。24歳でデスクワーク中心、腰椎前弯増強という情報からは腸腰筋拘縮を優先します。

4.椎間板ヘルニア
誤り。
椎間板ヘルニアでは、SLR検査陽性、下肢痛、感覚異常、筋力低下などの神経根症状がみられやすいです。この症例ではSLR陰性で下肢神経症状もありません。

覚えるポイント

  • 腸腰筋拘縮では骨盤前傾腰椎前弯増強が起こりやすいです。
  • 長時間座位は腸腰筋短縮の原因になります。
  • 後屈で腰痛が増悪し、下肢神経症状がなければ腸腰筋拘縮を考えます。
  • SLR陰性は椎間板ヘルニアを否定的にみる材料になります。

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