34PM117|第34回 柔道整復師国家試験 過去問
20歳の男性。ラグビーの試合中、右膝外側からタックルを受けた。直後から右膝内側に強い痛みがあり、プレーを続行できなかった。来所時に撮影した膝内側の長軸超音波画像を別に示す。画像所見でみられるのはどれか。

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正解: 2
正答
2.内側側副靱帯の肥厚
この問題のポイント
この問題では、ラグビー中に右膝外側からタックルを受けたという受傷機転から、膝に外反ストレスが加わったと考えます。
外反ストレスで損傷されやすいのは、膝内側を支持する**内側側副靱帯〈MCL〉**です。
提示された膝内側の長軸超音波画像では、患側と健側が比較されています。患側では健側に比べて、膝内側の靱帯様構造が厚く、内部エコーもやや不均一・低エコーにみえます。これは内側側副靱帯損傷に伴う靱帯の腫脹・肥厚を示す所見です。
画像所見
画像は左が患側、右が健側です。
健側では、内側側副靱帯は比較的薄く、線維状の構造として連続してみえます。
一方、患側では、健側と比較して内側側副靱帯が肥厚しており、靱帯内部の線維構造がやや不明瞭です。急性損傷では、靱帯そのものの腫脹、周囲の浮腫、血腫などにより、このように厚く低エコー調にみえることがあります。
また、画像上は骨皮質の明らかな段差や不整、関節内に存在する遊離体、半月板内の石灰化を示すような強い高エコー像は目立ちません。
したがって、画像所見として最も適切なのは内側側副靱帯の肥厚です。
解説
膝の外側からタックルを受けると、膝関節には外反方向の力が加わります。外反ストレスでは、膝内側を支える内側側副靱帯が引き伸ばされ、損傷されやすくなります。
この症例では、受傷直後から右膝内側に強い痛みがあり、プレーを続行できていません。これは内側側副靱帯損傷を疑う典型的な状況です。
膝内側の長軸超音波では、内側側副靱帯の連続性、肥厚、線維の乱れ、低エコー化、周囲の液体貯留などを確認します。本画像では患側と健側を比較することで、患側の内側側副靱帯が明らかに厚くみえる点が重要です。
選択肢の確認
1.骨皮質の不整像
誤り。
骨皮質の不整像は、骨折、裂離骨折、骨膜反応などでみられる所見です。提示画像では骨表面の明らかな段差や不整が主所見ではありません。
2.内側側副靱帯の肥厚
正しい。
外側からのタックルにより膝に外反ストレスが加わり、内側側副靱帯損傷が考えられます。画像でも、患側は健側に比べて内側側副靱帯が厚く、不明瞭にみえます。したがって、画像所見としては内側側副靱帯の肥厚が最も適切です。
3.関節内遊離体
誤り。
関節内遊離体は、関節内に遊離した骨軟骨片などが存在する状態で、ロッキングや引っかかり感の原因になります。この画像では、関節内に明らかな遊離体を示す所見はありません。
4.半月板の石灰化
誤り。
半月板の石灰化では、半月板内に高エコーの石灰化像を認めます。高齢者や結晶沈着症などでみられることがありますが、本症例のようなスポーツ中の急性外反ストレスによる膝内側痛では、まず内側側副靱帯損傷を考えます。画像でも半月板石灰化が主所見ではありません。
覚えるポイント
- 膝外側からの外力では、膝に外反ストレスが加わる。
- 外反ストレスで損傷しやすいのは内側側副靱帯〈MCL〉。
- 内側側副靱帯損傷の超音波所見では、靱帯の肥厚、低エコー化、線維の乱れ、周囲の浮腫を確認する。
- 患側と健側を比較すると、靱帯肥厚がわかりやすい。
- 本画像では、患側で健側より内側側副靱帯が厚くみえるため、正答は2.内側側副靱帯の肥厚である。
