112C1|第112回 医師国家試験 過去問

内科系感染症感染対策・予防策

アルコールによる手指衛生の効果が高いのはどれか。

解答・解説を見る

正解: e

正答

e インフルエンザウイルス

この問題のポイント

アルコールの消毒効果を、ウイルスのエンベロープと細菌の芽胞の有無で整理する。

解説

インフルエンザウイルスは脂質の膜であるエンベロープを持ち、アルコールによって膜や蛋白が障害されやすい。したがって適切な濃度、量、接触時間を守ったアルコールによる手指衛生が有効であり、選択肢の中で最も適切である。手指全体に薬液を行き渡らせ、乾燥するまで擦り込むことが重要になる。

破傷風菌とボツリヌス菌は芽胞を形成し、アルコールは芽胞に十分な効果を示さない。ノロウイルスやロタウイルスはエンベロープを持たず、製剤や条件によって効果が異なるため、インフルエンザと同じように一括して判断しない。特にロタウイルスにはアルコールの有効性を示す条件もあり、「非エンベロープなら一切無効」と覚えるのは不正確である。目に見える汚れや排泄物の付着時は、石けんと流水による洗浄が重要になる。

選択肢の確認

a 破傷風菌
誤り。芽胞を形成する細菌であり、芽胞はアルコールに抵抗性を示す。通常の擦式消毒で芽胞まで確実に除去できるとはいえない。

b ノロウイルス
誤り。エンベロープを持たず、一般的なアルコール手指消毒だけに頼るのは適切でない。石けんと流水による洗浄を重視する。

c ロタウイルス
誤り。エンベロープを持たない。アルコールが有効な条件もあるが、設問で高い効果を代表するものとしてはインフルエンザを選ぶ。

d ボツリヌス菌
誤り。ボツリヌス菌も芽胞を形成する。アルコールには十分な殺芽胞作用がない。

e インフルエンザウイルス
正しい。脂質性エンベロープがアルコールに障害されやすく、適切なアルコール手指衛生が有効である。

覚えるポイント

アルコールはエンベロープを持つウイルスに有効。芽胞には効きにくく、非エンベロープウイルスの効果は一律ではない。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 112B49112C2 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)