112E7|第112回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア緩和ケア・在宅医療

死にゆく人の心の動きを、否認、怒り、取引き、抑うつ、受容の5段階で表し、終末期ケアの在り方に影響を与えた“On death and dying”(死ぬ瞬間)の著者はどれか。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

『On Death and Dying』で死に直面する人の心理を論じたのはElisabeth Kübler-Rossです。終末期の感情を理解する枠組みとして知られます。

解説

Kübler-Rossは死にゆく患者との対話を通して、否認、怒り、取引き、抑うつ、受容という反応を示しました。患者の不安や怒りを単なる非協力的態度として扱わず、病気や死に向き合う過程として理解する視点を広めました。

ただし、全員がこの順番を必ず通り、最後に受容へ到達するという規則ではありません。感情は行き来し、複数が重なることもあります。医療者は患者を段階に当てはめたり、受容を急がせたりせず、その時点の体験を聴くことが重要です。

選択肢の確認

a William Osler〈ウィリアム・オスラー〉
誤り。近代臨床医学教育やベッドサイド教育で知られる医師ですが、この著書の著者ではありません。

b Helen Adams Keller〈ヘレン・アダムス・ケラー〉
誤り。視覚・聴覚障害をもちながら活動した著述家・社会活動家で、死の5段階モデルの提唱者ではありません。

c Albert Schweitzer〈アルベルト・シュバイツァー〉
誤り。医師、思想家として生命への畏敬などで知られますが、本書の著者ではありません。

d Florence Nightingale〈フロレンス・ナイチンゲール〉
誤り。近代看護の発展、衛生改革、統計の活用で知られます。本書と5段階モデルは別の人物です。

e Elisabeth Kübler-Ross〈エリザベス・キュブラー=ロス〉
正しい。死に直面する人の心理的反応を論じ、終末期ケアに影響を与えました。

覚えるポイント

  • 『死ぬ瞬間』はKübler-Ross。
  • 5段階を患者に強制する順序表として使いません。

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