113F7|第113回 医師国家試験 過去問

社会医学・医療システム臨床研究・EBM

ある一時点での割合を示す指標はどれか。

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正解: d

正答

d 有病率

この問題のポイント

有病率はある時点で病気をもつ人の割合を表す。新たに発症する速さを示す罹患率と区別する。

解説

ある一時点の集団を撮影するように、すでに病気をもっている人が何人いるかを捉えるのが時点有病率である。式は「その時点の有病者数÷その時点の対象人口」で、通常は%や人口10万対で表す。過去から継続している患者も、その時点で新たに発症した患者も含む。これに対し罹患率は、一定期間に新しく発症した数を、発症の危険にさらされた人数または観察人時間と関連づける。慢性疾患では、発症が増えなくても生存期間が延びれば有病者が蓄積して有病率が高くなり得る。死亡率や出生率は一定期間に生じる事象の頻度である。致命率は患者のうちその疾患によって死亡する割合で、分母が一般人口ではなく患者である。指標名だけでなく分子・分母・時間の三つを確認すると混同を防げる。

選択肢の確認

a 死亡率
誤り。通常、一定期間の死亡数を人口に対して表す。ある時点で生存者のうち何人が病気かを示す指標ではない。

b 出生率
誤り。通常、1年間の出生数を人口に対して表す。出生という期間内の出来事を数える指標である。

c 致命率
誤り。特定疾患の患者のうち、その疾患で死亡した人の割合で、重症度や予後に関係する。一般集団の一時点の疾病保有割合ではない。

d 有病率
正しい。時点有病率は、その時点に病気をもつ人の数を対象集団の人数で割った割合である。

e 罹患率
誤り。新規発症を観察する指標で、一定の観察期間が必要である。既存患者をすべて数える有病率とは異なる。

覚えるポイント

有病率は「今もっている」、罹患率は「新たに発症する」。致命率の分母は患者であり、死亡率の分母は人口である。

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