116C65|第116回 医師国家試験 過去問
内科系感染症検査・抗微生物薬
抗菌薬投与を含む治療の結果、入院4日目から解熱。合計10日間の抗菌薬投与計画であったが、8日目に再び発熱と腹痛を認めた。7日目の看護記録では茶褐色の水様下痢が合計8回あった。意識清明、血圧90/56mmHg、体温38.2℃、脈拍112/分。腹部は全体に圧痛がありやや膨隆、腸雑音は減弱。腰部叩打痛はない。 この時点で実施すべき検査はどれか。
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正解: e
正解
e 便中CDトキシン
何を疑うか
抗菌薬投与中に、
- 水様下痢
- 発熱の再燃
- 腹痛
- 腹部膨隆
が出現しています。
この流れでまず疑うのは、Clostridioides difficile感染症〈CDI〉です。
いわゆる偽膜性大腸炎として出題される重要病態です。
なぜCDIか
抗菌薬によって腸内細菌叢が乱れ、C. difficileが増殖すると、
- 水様下痢
- 発熱
- 腹痛
- 白血球増多
などを生じます。
そのため、この時点で確認すべき検査は便中CDトキシンです。
各選択肢の検討
a 心電図
誤りです。発熱と下痢の再燃の原因検索としては優先されません。b 尿培養
誤りです。もとの尿路感染再燃も鑑別には入りますが、水様下痢と腹部症状が目立つため、まずCDIを考えます。c 脳脊髄液検査
誤りです。髄膜炎を疑う所見はありません。d 便潜血
誤りです。出血の有無ではなく、原因微生物の評価が必要です。e 便中CDトキシン
正しいです。抗菌薬関連下痢症として最重要です。
ひっかけポイント
- 抗菌薬中に再発熱したからといって、すぐに「元の感染が治っていない」とは限りません。
- 抗菌薬後の下痢が出てきたら、まずC. difficileを疑います。
国試での判断軸
- 抗菌薬投与後+水様下痢はCDIの定番です。
- 診断では、便中のトキシン検出や抗原検査を考えます。
- 治療では原因抗菌薬の見直しと、CDIに対する治療が必要です。
覚えるポイント
- 抗菌薬使用後の水様下痢 → C. difficile。
- このとき行うべき検査は便中CDトキシンです。