60PM016|第60回 作業療法士国家試験 過去問
30 歳の女性。事務職。元来仕事熱心で上司の信頼が厚かった。指導していた新 人の部下が突然退職し、自分の指導方針が誤っていたためではないかと自責の念に かられた。その後、抑うつ気分、意欲低下、食欲低下および睡眠障害が出現し、仕 事上のミスが増えたため、精神科を受診した。うつ病と診断され、希死念慮も認め られたため入院となった。入院2 週目に作業療法が開始された。 作業療法開始時に収集すべき情報で適切でないのはどれか。
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正解: 5
正答
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この問題のポイント
うつ病の急性期において、作業療法の介入は「症状の安定」と「安全確保」を最優先とする。この段階では、患者の心理的負担を増加させるような将来の話題(例:復職)を提起することは、治療の進行を妨げ、逆に焦りや自責を増幅させるリスクがある。
解説
入院2週目という急性期のうつ病患者では、主に症状の把握と休息の確保が中心です。この時期に「復職の希望時期」を問うことは、患者の精神的負担を増大させ、希死念慮を悪化させる可能性があります。作業療法の目的は、活動の再構築や生活リズムの回復を支援することですが、急性期ではその前に「現在の状態」を正確に把握することが求められます。
睡眠の状態、日中の過ごし方、病気に対する認識、疲労感は、患者の現在の精神的・身体的状態を把握する上で重要です。特に睡眠障害や疲労感は、うつ病の進行度を示す指標であり、活動量の設定や介入計画の立案に直接関与します。一方、復職は回復期以降の課題であり、急性期にその話題を提起することは、臨床安全を損なう行動です。
選択肢の確認
1.睡眠の状態:適切。うつ病の核心症状の一つで、回復の指標として重要。
2.日中の過ごし方:適切。活動量や生活リズムの把握は、作業療法の介入設計に不可欠。
3.病気に対する認識:適切。治療への姿勢や病識は、患者の参加度に直接影響。
4.疲労感:適切。易疲労性は活動量設定の基本的な基準となる。
5.復職の希望時期:適切でない。急性期に話題を提起すると、患者の不安やプレッシャーが増幅するため、適切でない。
覚えるポイント
「急性期は休養優先」。作業療法の最初のステップは、患者の現在の状態を安全に把握すること。将来の計画(復職など)は、回復段階に移った後に考えるべき課題である。