60PM074|第60回 作業療法士国家試験 過去問
運動学習で正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1.運動学習の過程には小脳が関与する。
この問題のポイント
運動学習の過程で脳のどの領域がどのような役割を果たすかを理解することは、臨床的判断に不可欠です。特に小脳の機能は誤差修正や運動の協調において中心的で、学習段階の変化を正確に把握することが重要です。
解説
運動学習は、Fittsらのモデルに従って「認知期→連合期→自動期」という段階で進行します。この過程では、小脳が重要な役割を果たします。小脳は運動の誤差を検出・修正し、協調性を高める働きをし、特に運動学習の初期から中間段階で運動の精度を向上させるために関与しています。一方、大脳基底核は手続き記憶(自動化)の形成に関与するとされ、その作用は学習の後期に現れます。
一方、選択肢2は初期段階で手続き記憶が得られるという誤解を示しており、実際には初期は認知的処理が中心で、自動化は後期に達成されます。選択肢3では覚醒レベルとパフォーマンスは「比例関係」とはならず、ヤーキーズ・ドッドソンの法則により逆U字型の関係(過覚醒はパフォーマンスを低下)が成立します。選択肢4では、習熟段階ではフィードバック制御ではなく、より迅速なフィードフォワード制御が優位になります。選択肢5では学習曲線は一般に増加型(練習量増加に伴い達成度が上昇)であり、逆U字型は覚醒とパフォーマンスの関係にのみ適用されます。
選択肢の確認
1.運動学習の過程には小脳が関与する。:正しい。小脳は誤差修正・運動協調に深く関与。
2.運動学習の初期段階で手続き記憶が得られる。:間違っている。初期は認知的処理で、手続き記憶は後期に形成される。
3.覚醒レベルとパフォーマンス向上は比例関係である。:間違っている。逆U字型の関係が正しい。
4.課題に習熟するとフィードバック制御で運動が行われる。:間違っている。習熟後はフィードフォワード制御が優位。
5.練習量と達成度の関係を示す学習曲線は逆U 字型である。:間違っている。学習曲線は増加型で、逆U字は覚醒とパフォーマンスの関係にのみ適用。
覚えるポイント
「小脳=誤差修正・運動学習」「手続き記憶=後期」「逆U字=覚醒とパフォーマンス」「習熟=フィードフォワード制御」をセットで記憶すると、運動学習の流れを正確に理解できます。