61AM008第61回 作業療法士国家試験 過去問

5 歳の男児。重症心身障害児施設に入所している。四肢に強い筋緊張があり、重 度の側弯症もある。言語による意思表示は困難であり、食事は経管栄養である。 作業療法士がこの児に対して最初にすべき日常生活の基盤づくりで最も適切なの はどれか。

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正解: 3

正答

3.座位ポジショニングを実施する

この問題のポイント

重症心身障害児において、まず求められるのは「身体的基盤の確立」である。強い筋緊張と重度の側弯症は、姿勢の不安定さを増幅させ、二次的な変形や疼痛、呼吸障害を引き起こすリスクがある。そのため、作業療法の最初の介入として、安全で安定した座位姿勢を確保することが最も重要である。

解説

この児は、四肢に強い筋緊張があり、重度の側弯症を抱えている。また、経管栄養により飲食は自立できないこと、言語による意思表示が困難であることから、複雑な活動や社会的交流を求めるのは現実的でない。その中で、まず「座位ポジショニング」を実施することで、筋緊張の軽減、側弯症の進行抑制、感覚入力の安定、そして後続のコミュニケーションや活動への準備が可能になる。特に、24時間体制でのポジショニングは、変形予防と覚醒レベルの向上に貢献する。この介入は、身体的基盤を築くための「最初のステップ」として、臨床的にも安全で効果的である。

選択肢の確認

1.飲水訓練を開始する。:経管栄養中で姿勢が安定していない段階では誤嚥リスクが高いため不適切。
2.複雑な課題を自力で行わせる。:重度の心身障害で意思表示困難な状態では過負荷となり、安全を脅かす。
3.座位ポジショニングを実施する。:筋緊張・側弯症の悪化を防ぎ、基盤となるため最も適切。
4.言語訓練を中心にアプローチする。:言語が困難なため、まず姿勢基盤を整えるべき。
5.他児との交流を通じて社会性を養う。:身体的基盤が整っていない段階では実現困難。

覚えるポイント

重症心身障害児への作業療法介入では「ポジショニング→感覚刺激→コミュニケーション→活動」の順序が基本。身体の安定がなければ、その後のすべての介入は効果を発揮できない。まずは「座位ポジショニング」を確立し、その上で次のステップへ進むべきである。

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