61PM014第61回 作業療法士国家試験 過去問

23 歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊 張が強まることがあった。進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦に していた。卒業後に、病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留 所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車 内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。 この患者の障害で最も考えられるのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.社交不安症〈社交不安障害〉

この問題のポイント

不安がどのような場面で起こるかに注目します。この患者では、人前での食事、実習発表、同僚と同じバスに乗る場面など、他者から見られたり評価されたりする状況に症状が限られています。

解説

社交不安症は、他者の注目を受ける可能性がある社会的状況に強い恐怖や不安を抱く病態です。本例では中学生の頃から対人場面で発汗・赤面・緊張があり、その後も発表時や知人と遭遇する場面で動悸・振戦・発汗が生じています。一方、車内に知人がいなければ症状がないため、社会的評価への不安と結び付く社交不安症が最も考えられます。強迫症を示す強迫観念・強迫行為、解離性同一症を示す人格状態の交代、演技性パーソナリティ症にみられる注目を求める行動は記載されていません。また、発作が社会的状況に結び付いている点は、予期しない発作を反復するパニック症との鑑別点です。

選択肢の確認

1.強迫症〈強迫性障害〉:強迫観念や、それを打ち消すための反復行為を中心とする病態であり、本例の経過と異なります。
2.社交不安症〈社交不安障害〉:正答。他者に観察・評価され得る場面に限定した不安と自律神経症状が合致します。
3.パニック症〈パニック障害〉:予期しないパニック発作の反復が中心であり、対人場面だけに限られる本例とは異なります。
4.解離性同一症〈解離性同一性障害〉:複数の人格状態と記憶の断絶などが中心で、その所見はありません。
5.演技性パーソナリティ症〈演技性パーソナリティ障害〉:過度な感情表出や注目を求める行動を特徴とし、本例の不安・回避とは異なります。

覚えるポイント

「他者から見られる・評価される場面に限って不安と身体症状が出る」ことが社交不安症を選ぶ手掛かりです。

61PM01361PM015
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)