109Q273|第109回 薬剤師国家試験 過去問
53 歳男性。以前から、A病院内科で高血圧症、脂質異常症、糖尿病、胃潰 瘍、腰痛症に対して治療を受けており、症状は安定していた。最近、仕事のストレ スのためか気分が落ち込むことが多く、食欲不振、不眠などが続くため、B心療内 科を受診した。うつ病と診断され、処方箋を持って、かかりつけの薬局を訪れた。 (処方) フルボキサミンマレイン酸塩錠25 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 (薬歴に記載されていたA病院内科での処方内容) ニフェジピン徐放錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 シンバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 14 日分 メトホルミン塩酸塩錠500 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) ファモチジン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 チザニジン錠1 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分 前問の薬剤を選択した理由に最も深く関係する機序はどれか。1つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
前問の禁忌は、フルボキサミンによる肝CYP1A2阻害と、CYP1A2基質チザニジンの代謝低下で説明できます。
解説
経口投与されたチザニジンは主に肝CYP1A2で代謝されます。フルボキサミンはCYP1A2を強く阻害するため、チザニジンの初回通過代謝と全身クリアランスが低下し、血中濃度が著しく上昇します。その結果、過度のα2受容体刺激による低血圧、徐脈、傾眠などの危険が高まります。胃内pH変化や小腸CYP3A4・P-糖タンパク質の発現増加ではありません。また、肝CYP3A4阻害よりCYP1A2阻害がこの組合せの本質です。
選択肢の確認
1.胃内pH の上昇:禁忌の主要因ではありません。
2.小腸CYP3A4 発現量の増加:該当しません。
3.小腸P︲糖タンパク質発現量の増加:該当しません。
4.肝CYP1A2 の阻害:正答。チザニジン代謝を強く抑えます。
5.肝CYP3A4 の阻害:本組合せの主要機序ではありません。
覚えるポイント
チザニジンはCYP1A2基質。フルボキサミンやシプロフロキサシンとの併用禁忌を覚えます。