111Q251第111回 薬剤師国家試験 過去問

33 歳女性。身長 158 cm、体重 52 kg。夫と2 人暮らし。1 年半前より朝の 関節のこわばりや痛みを自覚し、1 年前に関節の腫脹・疼痛が出現した。近医でリ ウマトイド因子陽性の関節リウマチと診断され、治療が開始された。処方1 ~3 で 治療継続中であったが、疾患活動性の上昇により7 日前に入院した。病棟カンファ レンスで処方3 が処方4 へ変更されることになった。 (処方1 ) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回2 カプセル(1 日4 カプセル) 毎週 土曜日1 日2 回 朝夕食後 1 日分(投与実日数) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル) 毎週 日曜日1 日1 回 朝食後 1 日分(投与実日数) (処方2 ) 葉酸錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 毎週 月曜日1 日1 回 朝食後 1 日分(投与実日数) (処方3 ) アダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注(40 mg/ 1 キット) 1 キット 1 回 40 mg 2 週間に1 回 皮下注射(自己注射) (処方4 ) トファシチニブクエン酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 7 日分 処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: 3・5

正答

3・5

この問題のポイント

処方中のメトトレキサート、アダリムマブ、トファシチニブを、葉酸代謝、TNF-α、JAKという標的に対応させます。選択肢にない薬の機序も識別します。

解説

トファシチニブは細胞内のヤヌスキナーゼを阻害し、サイトカイン受容体からSTATへ伝わるシグナルを抑えてリンパ球などの免疫細胞の活性化を抑制します。メトトレキサートにはジヒドロ葉酸還元酵素阻害作用があり、還元型葉酸を減らしてチミジル酸などの合成を抑えます。関節リウマチの低用量治療では、AICAR代謝阻害とアデノシン増加も抗炎症作用に関与します。アダリムマブはTNF-αを中和しますが、その機序は選択肢にありません。IL-6受容体、CD80/CD86、カルシニューリンを標的とするのは別の抗リウマチ薬です。

選択肢の確認

1.IL-6 受容体に結合することで、IL-6 により誘導される炎症反応を抑制する。:誤り。トシリズマブなどの機序です。
2.抗原提示細胞表面の CD80/CD86 に結合することで、CD28 を介した共刺激シ グナルを抑制する。:誤り。アバタセプトの機序です。
3.ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで、リンパ球の活性化を阻害する。:正答。トファシチニブに該当します。
4.カルシニューリンを阻害することで、ヘルパー T 細胞における IL-2 産生を抑 制する。:誤り。タクロリムスなどの機序です。
5.ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することで、チミジル酸の合成を抑制する。:正答。メトトレキサートの薬理作用です。

覚えるポイント

トファシチニブ=JAK阻害、メトトレキサート=葉酸代謝阻害、アダリムマブ=抗TNF-α抗体と整理します。

111Q250111Q252
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)