110Q319|第110回 薬剤師国家試験 過去問
79 歳男性。難治性の気管支ぜん息と診断され、吸入ステロイド薬及び長時 間作用性気管支拡張薬による吸入療法を行っていた。しかし、効果不十分のため3 ケ月前よりメポリズマブ(遺伝子組換え)皮下注が追加され、院内処方にて病院で 使用法の指導・確認を行っていた。今月より院外処方となり、薬局に処方1 の処方 箋を持って訪れた。薬剤師は、患者に練習用模擬ペンにて一連の操作をしてもら い、適切に使用できるか確認することとした。 なお、この男性は、同一世帯に75 歳の妻がおり、両者とも要支援・要介護認定 は受けていない。この夫婦は年金受給者でその他の収入はなく、窓口負担割合が1 割である。 (処方1 :処方日7 月1 日) メポリズマブ(遺伝子組換え)皮下注(100 mg/ 1 キット) (注) 1 キット 1 回100 mg 4 週間に1 回 皮下注射(自己注射) (注)この薬剤1 キットの薬価は約16 万円である。 (皮下注ペンの構造と概要) 薬液確認バー 針キャップ (透明) 薬液確認窓 使用前 使用後 安全カバー 未使用の場合、 薬液確認窓から 薬液が見えます 薬液注入後、薬液確認バーが 左側に移動します 穿刺用針は安全カバーに内蔵されており、針キャップを外し、安全カバーが見 えなくなるまで穿刺部位にペン先を押し込むと、針が刺さり、薬液が注入され る構造となっている。 問題なく自己注射ができると確認でき、医師に情報提供したところ、この薬剤を 継続使用することとなった。その後、7 月28 日に受診し、その日に薬局に処方1 と同じ内容の処方箋を持って訪れた。この患者の医療費の自己負担に関する制度の 内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

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正解: 4・5
正答
4・5
この問題のポイント
高額療養費制度は暦月ごとの自己負担を対象とし、年齢に上限はありません。同じ医療保険に加入する世帯員の負担は、要件を満たせば合算できます。
解説
画像・設問では、約16万円の自己注射薬が7月1日と7月28日に処方され、いずれも同じ暦月の負担です。高額療養費は1か月単位で、所得・年齢区分に応じた上限を超える自己負担を保険者が支給する制度です。夫婦は79歳と75歳で同一世帯、同じ医療保険に加入しているため、対象となる負担を世帯で合算できます。運営主体はPMDAではなく加入先の保険者で、本例の年齢なら後期高齢者医療の保険者を考え、国民健康保険組合とはしません。
選択肢の確認
1.半年(6 ケ月)の自己負担額が一定金額を超えた場合、超過分が支給される。:誤り。判定の基本単位は暦月です。
2.本制度が利用可能かの判断は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) が行う。:誤り。PMDAではなく医療保険の保険者が扱います。
3.この患者への支給は国民健康保険組合が行う。:誤り。本例は後期高齢者医療制度の対象年齢です。
4.本制度は、対象者の年齢の上限は設定されていない。:正しい。高齢者も所得等に応じた区分で対象になります。
5.同一世帯の妻が同じ医療保険に加入しているので、自己負担を合算して本制度 を利用できる。:正しい。世帯合算の条件を満たします。
覚えるポイント
高額療養費は「暦月・保険者・年齢所得区分・同一保険の世帯合算」の順に事例へ当てはめます。