76AM9|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
散乱線除去用グリッドで正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、散乱線除去用グリッドの基本特性を確認します。
特に重要なのは、次の 3 つです。
- グリッド比
- グリッド密度
- グリッド露出係数
解説
散乱線除去用グリッドは、被写体で発生した散乱 X 線を除去し、画像コントラストを改善するために用いられます。
グリッドは、鉛はくと中間物質を交互に並べた構造をしています。一次 X 線はできるだけ通過させ、斜め方向から入る散乱線を吸収します。
グリッド比は、鉛はくの高さを鉛はく間隔で割った値です。
グリッド比が大きいほど、斜めに入る散乱線を強く除去できます。しかし、そのぶん一次 X 線も一部失われやすくなり、同じ濃度を得るために必要な撮影線量が増えます。
この必要線量の増加を表すのが グリッド露出係数です。
したがって、グリッド密度が同じ条件では、グリッド比が大きいほどグリッド露出係数は大きくなります。
ひっかけポイント
グリッドは画質を改善しますが、被ばくを減らす道具ではありません。
散乱線を除去するかわりに、同じ画像濃度を得るには撮影条件を上げる必要があります。
選択肢の確認
1.誤り。
グリッド露出係数は、グリッドを使用しない場合と使用する場合で、同じ写真効果を得るために必要な露出の比を表します。単に一次 X 線透過率の逆数で表されるものではありません。
2.誤り。
同一グリッドでは、管電圧が高くなると散乱線の透過や散乱線含有率が変化し、選択度が単純に大きくなるとはいえません。一般に高管電圧では散乱線の影響が増え、グリッド性能の評価は低下しやすくなります。
3.誤り。
グリッド密度は、単位長さあたりの鉛はくの数を表します。一般には 1 cm あたりの本数で表されることが多く、1 mm 当たりとする記述は適切ではありません。
4.誤り。
同一グリッドで管電圧が高くなるほど、コントラスト改善比が単純に大きくなるわけではありません。高管電圧では散乱線の影響が増え、グリッドによるコントラスト改善効果は低下しやすくなります。
5.正しい。
グリッド密度が同じであれば、グリッド比が大きいほど散乱線除去効果は高くなります。その一方で、同じ画像濃度を得るための露出が増えるため、グリッド露出係数は大きくなります。
覚えるポイント
- グリッド比が大きいほど、散乱線除去効果は高くなります。
- グリッド比が大きいほど、同じ濃度に必要な露出も増えます。
- グリッド露出係数は、グリッド使用でどれだけ露出が必要になるかを示します。
- グリッドはコントラストを改善しますが、患者線量増加につながることがあります。
- 高グリッド比では、位置ずれや斜入によるグリッドカットにも注意が必要です。