77AM83第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

エックス線撮影技術学X線撮影技術画像の成立

X 線撮影におけるグリッドの使用で正しいのはどれか。 ただし、撮影条件は一定とする。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、X 線撮影でグリッドを使用する目的が問われています。

グリッドは、被写体内で発生した散乱線を除去し、検出器に到達する散乱線を減らすために用います。

散乱線が減ると、画像のかぶりが減り、画像コントラストが向上します。

解説

X 線撮影では、被写体を通過した一次 X 線だけでなく、体内で散乱した散乱線も検出器に到達します。

散乱線は画像全体に不要な信号として加わり、濃度差を低下させます。

これにより、画像コントラストが低下します。

グリッドは、鉛はくと中間物質を規則的に並べた構造で、検出器の前に置いて使用します。

一次 X 線は比較的まっすぐ進むためグリッドを通過しやすいですが、散乱線は斜め方向から入射するためグリッドで吸収されやすくなります。

その結果、検出器に到達する散乱線が減少し、画像コントラストが改善します。

ひっかけポイント
撮影条件が一定の場合、グリッドは一次 X 線の一部も吸収するため、検出器に到達する線量は減少します。
そのため、量子ノイズは増えやすく、粒状性が向上するとはいえません。
しかし、散乱線が減るため画像コントラストは向上します。

グリッド使用時の注意

グリッドを使用すると散乱線を除去できますが、一次 X 線も一部吸収されます。

そのため、同じ画像濃度や同じ検出器到達線量を保つには、一般に mAs を増やす必要があります。

結果として、患者被ばくが増えることがあります。

この問題では「撮影条件は一定」とされているため、被ばく線量が減るというより、グリッドによる散乱線除去効果を考えるのがポイントです。

選択肢の確認

1.誤り。
グリッドの主目的は散乱線除去によるコントラスト改善です。

鮮鋭度そのものを大きく低下させる目的の器具ではありません。
ただし、グリッドの使用条件が不適切な場合にはアーチファクトや濃度ムラが生じることがあります。

2.誤り。
撮影条件が一定の場合、グリッドは散乱線だけでなく一次 X 線の一部も吸収します。

検出器に到達する量子数が減るため、量子ノイズは増えやすく、粒状性が向上するとはいえません。

3.誤り。
グリッドは患者の前ではなく、被写体を通過した後の散乱線を除去するために用いられます。

患者被ばくを減らす目的の器具ではありません。
同じ画像濃度を得るためには、むしろ撮影条件を増やすことがあります。

4.正しい。
グリッドにより散乱線が減少すると、画像のかぶりが減ります。

その結果、被写体コントラストが画像上に反映されやすくなり、画像コントラストが向上します。

5.誤り。
グリッドは検出器前で散乱線を除去する器具です。

骨組織そのものの X 線透過性を変化させるものではありません。

覚えるポイント

  • グリッド = 散乱線除去用具
  • グリッドを使うと画像コントラストが向上する。
  • グリッドは一次 X 線も一部吸収する。
  • 同じ画像濃度を得るには mAs 増加が必要になることがある。
  • グリッドは骨の X 線透過性そのものを変えるものではない。

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