77AM84|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
一般撮影の診断参考レベルにおいて入射表面線量が最も低い撮影はどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、一般撮影における**診断参考レベル〈DRL:diagnostic reference level〉**と、入射表面線量の大小関係が問われています。
選択肢の中で入射表面線量が最も低い撮影は、胸部正面です。
胸部正面撮影は、比較的高管電圧を用いて短時間で撮影されることが多く、他の部位に比べて入射表面線量は低くなります。
解説
診断参考レベル〈DRL〉は、医療被ばくの最適化に用いられる目安です。
DRL は線量限度ではありません。
施設の撮影条件や線量が、一般的な水準と比べて高すぎないかを確認し、必要に応じて撮影条件を見直すために用います。
一般撮影では、撮影部位によって必要な線量が大きく異なります。
体厚が大きい部位や骨・軟部組織の重なりが多い部位では、必要な線量が増えます。
一方、胸部正面撮影では、肺が含気しており X 線透過性が高く、比較的少ない入射表面線量で画像を得ることができます。
したがって、頭部正面、頸椎正面、腰椎正面、骨盤正面と比較すると、胸部正面の入射表面線量が最も低いと判断します。
ひっかけポイント
胸部撮影は検査件数が多いため総集団線量としては重要ですが、1 回あたりの入射表面線量は比較的低い撮影です。
「よく撮る検査」と「1 回の線量が高い検査」は区別します。
部位別の線量の考え方
入射表面線量は、被写体厚、撮影条件、照射野、グリッド使用、管電圧などに影響されます。
一般に、腰椎や骨盤は体厚が大きく、線量が高くなりやすい部位です。
頭部や頸椎も骨構造の描出が必要で、胸部正面より高い線量になることがあります。
胸部正面は肺の透過性が高いため、低い入射表面線量で撮影可能です。
選択肢の確認
1.誤り。
頭部正面撮影では、頭蓋骨や脳実質周囲の骨構造を通過するため、胸部正面より入射表面線量は高くなります。
最も低い撮影としては適切ではありません。
2.誤り。
頸椎正面撮影も骨構造の描出が必要であり、胸部正面より入射表面線量が高くなる傾向があります。
3.正しい。
胸部正面撮影は、肺が含気しており X 線透過性が高いため、比較的低い入射表面線量で撮影できます。
一般撮影の DRL において、選択肢の中では最も低い撮影です。
4.誤り。
腰椎正面撮影は、体厚が大きく、腹部軟部組織や骨を通過するため、入射表面線量が高くなりやすい撮影です。
胸部正面より低いとはいえません。
5.誤り。
骨盤正面撮影は、骨盤骨や軟部組織を含むため、胸部正面より入射表面線量が高くなりやすい撮影です。
最も低い撮影としては適切ではありません。
覚えるポイント
- DRL は線量限度ではなく、医療被ばく最適化の目安。
- 一般撮影の入射表面線量は、撮影部位で大きく異なる。
- 胸部正面は、肺の透過性が高く、入射表面線量が低い。
- 腰椎や骨盤は体厚が大きく、線量が高くなりやすい。
- この問題では、胸部正面を選ぶ。