76AM86|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
X 線撮影で画像コントラストを向上させるのはどれか。 ただし、他の条件は一定とする。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、X 線撮影において 画像コントラストを向上させる撮影条件が問われています。
画像コントラストに大きく関係するのは、主に次の 2 つです。
- 被写体内での X 線吸収差
- 散乱線の量
管電圧を低くすると、組織間の吸収差が大きくなり、画像コントラストは向上します。
解説
X 線画像のコントラストは、被写体を通過した X 線量の差によって生じます。
管電圧が高いと、X 線の透過力が強くなります。透過力が強い X 線では、骨や軟部組織などの吸収差が小さくなり、画像コントラストは低下しやすくなります。
一方、管電圧を低くすると、X 線のエネルギーが低くなり、被写体内での減弱差が大きくなります。特に光電効果の寄与が相対的に大きくなるため、骨と軟部組織のような原子番号や密度の違いが画像に反映されやすくなります。
したがって、他の条件が一定であれば、管電圧を低くすることにより画像コントラストは向上します。
ただし、低管電圧では透過 X 線量が減少しやすく、被ばくや画像ノイズとのバランスを考える必要があります。
ひっかけポイント
mAs を上げると画像の信号量は増えますが、被写体コントラストそのものを高める条件ではありません。
コントラストを大きく左右する代表条件は 管電圧 と 散乱線量です。
選択肢の確認
1.誤り。
mAs 値を上げると、発生する X 線量が増え、画像濃度や信号量、SNR は改善しやすくなります。しかし、被写体内の吸収差そのものを大きくする条件ではないため、画像コントラストを直接向上させる選択肢としては不適切です。
2.正しい。
管電圧を低くすると、X 線の透過力が低下し、組織間の減弱差が大きくなります。そのため、画像コントラストは向上します。
3.誤り。
照射野を広くすると、被写体内で発生する散乱線が増加します。散乱線は画像全体に不要な信号を加え、コントラストを低下させます。したがって、照射野は必要最小限に絞ることが重要です。
4.誤り。
検出器を被写体に近づけると、拡大率や幾何学的不鋭は小さくなります。しかし、被写体コントラストを直接高める条件ではありません。コントラスト向上の主因ではなく、主に幾何学的画質に関係します。
5.誤り。
高格子比グリッドは散乱線除去効果が高く、画像コントラストを改善します。高格子比グリッドから低格子比グリッドへ変更すると、散乱線除去効果が低下し、画像コントラストはむしろ低下しやすくなります。
覚えるポイント
- 画像コントラストは、被写体の吸収差と散乱線量に影響されます。
- 管電圧を低くすると、画像コントラストは向上します。
- 管電圧を高くすると、透過力は増えますが、コントラストは低下しやすくなります。
- 照射野を広くすると散乱線が増え、コントラストは低下します。
- 高格子比グリッドは散乱線除去効果が高く、コントラスト改善に有利です。