76PM35第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

放射線治療技術学臨床放射線治療学有害事象〈有害反応・障害〉

食道癌に対する放射線治療で正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、食道癌に対する放射線治療の有害事象、組織型、線量評価の考え方が問われています。

食道は照射野に含まれるため、治療中に粘膜炎が起こりやすく、急性期有害事象として 嚥下時痛がみられます。

解説

食道癌に対する放射線治療では、根治的化学放射線治療、術前・術後治療、緩和照射などが行われます。

食道は管腔臓器であり、粘膜が放射線の影響を受けやすい部位です。

放射線治療中から治療終了後早期にかけて、急性期有害事象として 放射線食道炎が生じることがあります。

放射線食道炎では、次の症状がみられます。

  • 嚥下時痛
  • つかえ感
  • 胸やけ
  • 食欲低下
  • 経口摂取量低下

したがって、急性期有害事象として嚥下時痛があるという記述は正しいです。

日本の食道癌は、欧米に比べて 扁平上皮癌が多いことが特徴です。腺癌が 50%以上を占めるという記述は不適切です。

また、食道癌の放射線治療では、晩期有害事象として食道狭窄、潰瘍、瘻孔、肺障害、心臓障害などに注意します。口腔乾燥は頭頸部照射で唾液腺が照射される場合に問題となりやすく、食道癌治療の最も多い晩期有害事象としては不適切です。

放射線肺臓炎のリスク評価では、肺の最大線量だけでなく、平均肺線量、V20、V5 などの線量体積指標が重要です。

ひっかけポイント
食道癌照射で治療中に出やすい症状は、食道粘膜炎による 嚥下時痛です。
口腔乾燥は主に唾液腺を含む頭頸部照射で問題になります。

選択肢の確認

1.正しい。
食道癌の放射線治療では、急性期有害事象として放射線食道炎が起こり、嚥下時痛がみられます。

2.誤り。
日本の食道癌では扁平上皮癌が多く、腺癌が 50%以上を占めるという記述は不適切です。

3.誤り。
口腔乾燥は唾液腺障害により生じ、頭頸部照射で問題になりやすい有害事象です。食道癌放射線治療の晩期有害事象として最も多いとはいえません。

4.誤り。
食道癌Ⅰ期の化学放射線治療成績について、5 年生存率を約 50%とする記述は一般的な理解として低く、適切ではありません。早期例ではより良好な治療成績が期待されます。

5.誤り。
放射線肺臓炎の予防では、肺の最大線量だけでなく、平均肺線量や V20、V5 などの肺全体の線量体積指標が重要です。最大線量を下げることが最も重要という記述は不適切です。

覚えるポイント

  • 食道癌放射線治療の急性期有害事象に 嚥下時痛があります。
  • 嚥下時痛は放射線食道炎によって起こります。
  • 日本の食道癌は 扁平上皮癌が多いです。
  • 放射線肺臓炎では平均肺線量、V20、V5 などが重要です。
  • 口腔乾燥は主に頭頸部照射で唾液腺が照射される場合に問題になります。

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