76PM36|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射線治療による有害事象で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、放射線治療による 急性期有害事象 と 晩期有害事象、さらに小児照射で重要な 成長障害 が問われています。
正しいのは、小児の膝へ照射した場合、有害事象として骨成長障害があるです。
小児では骨端線や成長軟骨が放射線に感受性を示すため、照射部位によって成長障害や変形、脚長差が問題になります。
解説
放射線治療の有害事象は、発生時期によって大きく分けます。
急性期有害事象
治療中から治療終了後早期に起こります。皮膚炎、粘膜炎、下痢、悪心、嚥下時痛などが代表です。晩期有害事象
治療終了後、数か月から数年以降に起こります。線維化、狭窄、潰瘍、骨折、白内障、成長障害、内分泌障害などが代表です。
小児では、成長中の組織が放射線の影響を受けやすいことが重要です。
膝周囲には大腿骨遠位端や脛骨近位端など、成長に関わる骨端線があります。ここに照射が及ぶと、骨成長障害、脚長差、変形などが生じる可能性があります。
一方、骨盤照射中の下痢は腸管粘膜への急性反応であり、多くは治療終了後に改善します。不可逆性とはいえません。
白内障や仙骨不全骨折は、急性期ではなく晩期に問題となる有害事象です。
ひっかけポイント
「治療中に起こるもの」と「数か月から数年後に起こるもの」を区別します。
下痢は急性期で多くは可逆性、白内障・不全骨折・成長障害は晩期有害事象として整理します。
選択肢の確認
1.誤り。
骨盤照射中に生じる下痢は、腸管粘膜の急性放射線反応として起こります。多くは可逆的であり、不可逆性であるという記述は不適切です。
2.誤り。
放射線治療後の甲状腺機能低下では、必要に応じて甲状腺ホルモン補充療法を行います。ヨード制限を行うという対応は一般的ではありません。
3.正しい。
小児の膝へ照射すると、成長軟骨や骨端線が影響を受け、骨成長障害、脚長差、変形などが生じる可能性があります。
4.誤り。
白内障は水晶体被ばくによる晩期有害事象です。脳腫瘍に対する放射線治療の急性期有害事象として扱うのは不適切です。
5.誤り。
仙骨不全骨折は骨盤照射後にみられることがある晩期有害事象です。子宮頸癌術後放射線治療の急性期有害事象ではありません。
覚えるポイント
- 放射線治療の有害事象は 急性期 と 晩期 に分けて考えます。
- 骨盤照射中の下痢は急性期有害事象で、多くは可逆的です。
- 白内障や仙骨不全骨折は晩期有害事象です。
- 小児では成長軟骨や骨端線への照射により 骨成長障害 が起こり得ます。
- 小児照射では、将来の成長・発達を考えた線量管理が重要です。