76PM43|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
10 MV X 線を照射野15 cm × 15 cm で照射したとき組織中の深さ10 cm の点の線量率が2.0 Gy・min-1 であった。 照射野10 cm × 10 cm の基準点の吸収線量率[Gy・min-1]に最も近いのはどれか。 ただし、照射野15 cm × 15 cm の出力係数は1.1、組織最大線量比は0.8、線源標的間距離は一定とする。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、照射野 15 cm × 15 cm、深さ 10 cm で測定された線量率から、照射野 10 cm × 10 cm の 基準点吸収線量率を求めます。
与えられている補正要素は次の 2 つです。
- 照射野 15 cm × 15 cm の 出力係数:1.1
- 深さ 10 cm の 組織最大線量比〈TMR〉:0.8
測定された 2.0 Gy・min-1 は、基準点吸収線量率に出力係数と TMR がかかった値として扱います。
解説
照射野 10 cm × 10 cm の基準点吸収線量率を Dref とします。
照射野 15 cm × 15 cm で、組織中深さ 10 cm の点の線量率は、次のように表されます。
2.0 = Dref × 出力係数 × TMR
与えられた値を代入します。
2.0 = Dref × 1.1 × 0.8
まず、1.1 × 0.8 を計算します。
1.1 × 0.8 = 0.88
したがって、
2.0 = Dref × 0.88
Dref = 2.0 ÷ 0.88
Dref ≒ 2.27 Gy・min-1
選択肢の中で最も近いのは 2.3 Gy・min-1です。
計算の流れ
1.深さ 10 cm の線量率は 2.0 Gy・min-1
2.照射野 15 cm × 15 cm の出力係数は 1.1
3.深さ 10 cm の TMR は 0.8
4.Dref = 2.0 ÷(1.1 × 0.8)
5.Dref ≒ 2.3 Gy・min-1
ひっかけポイント
出力係数と TMR を掛けて終わるのではありません。
すでに深さ 10 cm、15 cm × 15 cm の線量率が与えられているので、基準点へ戻すために 割り戻す必要があります。
選択肢の確認
1.誤り。
1.5 Gy・min-1 は、補正の向きが合っていません。基準点吸収線量率は、深さ 10 cm の線量率 2.0 Gy・min-1 より大きくなります。
2.誤り。
1.8 Gy・min-1 も小さすぎます。TMR 0.8 と出力係数 1.1 を用いて割り戻す必要があります。
3.正しい。
Dref = 2.0 ÷(1.1 × 0.8)= 2.0 ÷ 0.88 ≒ 2.3 Gy・min-1 となります。
4.誤り。
2.8 Gy・min-1 は、計算値 2.27 Gy・min-1 より大きすぎます。出力係数と TMR の扱いを確認します。
5.誤り。
3.4 Gy・min-1 は大きすぎます。補正係数を過剰に割った場合などに近くなります。
覚えるポイント
- 線量率を基準点へ戻すときは、係数を 割り戻すことがあります。
- 出力係数は照射野サイズによる出力変化を表します。
- TMR は深さ方向の相対線量を表します。
- この問題では 2.0 ÷(1.1 × 0.8)≒ 2.3です。
- 放射線治療の計算問題では、測定点の条件と求める基準条件を整理します。