77AM11|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射性核種の分離法で正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、放射性核種の化学的分離法と、その原理の対応が問われています。
正しい組合せは、共沈法と溶解度積の法則です。
放射性核種は量が非常に少ないため、単独では沈殿として扱いにくいことがあります。
そこで、担体や沈殿を利用して目的核種を一緒に沈殿させる方法が共沈法です。
解説
共沈法は、目的とする放射性核種を、別の沈殿生成物とともに沈殿させて分離する方法です。
沈殿が生じるかどうかは、溶液中のイオン濃度と溶解度積に関係します。
ある難溶性塩について、イオン積が溶解度積を超えると沈殿が生じます。
共沈法では、この沈殿生成を利用して、微量の放射性核種を沈殿に取り込ませたり、吸着させたりして分離します。
したがって、共沈法は溶解度積の法則を利用するという記述は正しいです。
国家試験ではここを押さえる
- 共沈法:溶解度積、沈殿、担体を利用する。
- 電気泳動法:荷電粒子の移動度の差を利用する。
- 電気化学的分離法:酸化還元電位や電極反応を利用する。
- Rf 値:ペーパークロマトグラフィや薄層クロマトグラフィで用いる。
- Szilard-Chalmers 法:核反応後の化学状態の違いを利用する。
ひっかけポイント
「イオン交換体の分布係数」や「Rf 値」は、別の分離法で使う用語です。
分離法の名称と、利用する物理化学的原理を対応させて覚えることが重要です。
選択肢の確認
1.正しい。
共沈法では、難溶性沈殿を生成させ、目的の放射性核種を沈殿とともに分離します。
沈殿生成には溶解度積が関係します。
したがって、この組合せは正しいです。
2.誤り。
電気泳動法は、電場中で荷電粒子が移動する性質を利用します。
移動の違いは、主に電荷、分子量、形状、溶液条件などに依存します。
イオン化傾向の差を利用する分離法ではありません。
3.誤り。
ラジオコロイド法は、放射性核種をコロイド状粒子として扱う方法です。
イオン交換樹脂によるろ過は、イオン交換法に関連する考え方です。
ラジオコロイド法の説明としては適切ではありません。
4.誤り。
電気化学的分離法は、電極反応や酸化還元電位の差を利用して分離します。
イオン交換体の分布係数の違いを利用するのは、イオン交換分離やクロマトグラフィに関連する考え方です。
5.誤り。
Szilard-Chalmers〈ジラード・チャルマー〉法は、核反応後に生じた放射性原子が、反跳などにより元の化学結合から離れ、化学状態が変わることを利用します。
Rf 値は、ペーパークロマトグラフィや薄層クロマトグラフィで物質の移動度を表す値です。
Szilard-Chalmers 法の原理ではありません。
覚えるポイント
- 共沈法 = 溶解度積の法則。
- 電気泳動法 = 電場中での移動度の差。
- 電気化学的分離法 = 酸化還元電位、電極反応。
- Rf 値 = クロマトグラフィ。
- Szilard-Chalmers 法 = 核反応後の化学状態の違い。