77AM26|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
陽子線治療と炭素線治療の比較で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、陽子線治療と炭素線治療の違いが問われています。
正しいのは、炭素線治療の方が線エネルギー付与〈LET〉が高いという記述です。
炭素線は陽子線より重い粒子であり、飛跡に沿って密にエネルギーを付与します。
そのため、一般にLET が高く、生物学的効果比〈RBE〉も高いことが特徴です。
解説
陽子線も炭素線も、粒子線治療で用いられる荷電粒子です。
どちらも体内で深さ方向に特徴的な線量分布を示し、停止直前に線量が高くなるブラッグピークを利用できます。
ただし、陽子線と炭素線では生物学的性質が異なります。
炭素線は陽子線より質量が大きく、電離密度が高いため、**LET〈linear energy transfer:線エネルギー付与〉**が高くなります。
LET が高い放射線では、DNA に複雑な損傷を起こしやすく、細胞が修復しにくくなります。
そのため、炭素線は陽子線より生物学的効果比〈RBE〉が高い傾向があります。
また、高 LET 放射線では低酸素細胞に対する効果が比較的保たれるため、酸素効果の影響は陽子線より炭素線の方が小さくなります。
ひっかけポイント
炭素線は高 LET・高 RBE・低酸素細胞に比較的有効、という特徴があります。
「炭素線の方が RBE が低い」「陽子線の方が酸素効果の影響が小さい」は逆の説明です。
選択肢の確認
1.誤り。
陽子線は炭素線より軽いため、体内で多重散乱を受けやすくなります。
一般に炭素線の方が側方散乱が少なく、側方ペナンブラは小さくなりやすいです。
したがって、陽子線治療の方がペナンブラが小さいとはいえません。
2.誤り。
炭素線は陽子線より LET が高く、一般に生物学的効果比〈RBE〉も高くなります。
「炭素線治療の方が生物学的効果比が低い」は逆の記述です。
3.正しい。
炭素線は陽子線より重い荷電粒子であり、飛跡に沿ってより密にエネルギーを付与します。
したがって、炭素線治療の方が LET が高いという記述は正しいです。
4.誤り。
酸素効果の影響は、高 LET 放射線である炭素線の方が小さくなります。
陽子線の方が酸素効果の影響が小さいという記述は誤りです。
5.誤り。
炭素線は陽子線より重い粒子であるため、核破砕によるフラグメントの影響を受けます。
ブラッグピーク付近やその遠位側に核破砕由来の線量成分が生じるため、「炭素線治療の方が核破砕が少ない」とは言えません。
覚えるポイント
- 炭素線は陽子線より LET が高い。
- 炭素線は RBE が高い。
- 炭素線は酸素効果の影響が小さい。
- 陽子線も炭素線もブラッグピークを利用する。
- 炭素線では核破砕によるフラグメントの影響を考える。