77AM22|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射線治療で誤っているのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題は、誤っているものを選ぶ問題です。
誤っているのは、ホウ素中性子捕捉療法で発生する ⁷Li や ⁴He の体内飛程は 2 ~ 3 mm であるという記述です。
BNCT で発生する ⁷Li 粒子や α 粒子は、飛程が非常に短く、細胞径程度の範囲にエネルギーを集中して付与します。
2 ~ 3 mm ではなく、一般に数 μm 程度の飛程として理解します。
解説
放射線治療では、標的体積の定義、線量計算、補助具、粒子線・中性子捕捉療法などの基本概念が問われます。
GTV、CTV、ITV、PTV は、治療計画で重要な体積概念です。
- GTV:画像や診察で確認できる腫瘍体積。
- CTV:GTV に顕微鏡的進展範囲を加えた臨床標的体積。
- ITV:CTV に呼吸性移動などの内的マージンを加えた体積。
- PTV:CTV または ITV にセットアップ誤差などのマージンを加えた計画標的体積。
**ホウ素中性子捕捉療法〈BNCT〉**では、腫瘍細胞に取り込まれた ¹⁰B に中性子を照射します。
¹⁰B が中性子を捕獲すると、主に α 粒子〈⁴He〉 と ⁷Li 粒子が発生します。
これらは高 LET 放射線であり、飛程が非常に短いため、ホウ素を取り込んだ細胞周辺に限局して線量を与えます。
飛程は 2 ~ 3 mm ではなく、細胞レベルの数 μm 程度です。
ひっかけポイント
BNCT の特徴は、発生粒子の飛程が「mm」ではなく「μm」レベルであることです。
mm オーダーだと周囲組織にも広く飛んでしまい、BNCT の細胞選択性を説明できません。
選択肢の確認
1.正しい。
PTV は、CTV や ITV にセットアップ誤差などを考慮したマージンを加えた計画標的体積です。
したがって、セットアップマージンは PTV に含まれます。
2.正しい。
ITV は、CTV に呼吸性移動や臓器運動などの内的マージンを加えた体積です。
そのため、この記述は正しいです。
3.正しい。
convolution 法は、線量計算においてエネルギーの広がりや散乱線の寄与を扱う計算アルゴリズムです。
単純な補正法よりも、組織不均質や二次電子の広がりを考慮した線量評価に用いられます。
4.誤り。
BNCT で発生する ⁷Li や ⁴He の体内飛程は、2 ~ 3 mm ではありません。
実際には細胞径程度の数 μm 程度であり、非常に短い飛程をもつことが特徴です。
5.正しい。
くさびフィルタのウェッジ角度は、水ファントム中の基準深、一般に 10 cm 深付近の等線量曲線の傾きに基づいて定義されます。
中心軸との関係で余角として表されるため、この記述は正しいです。
覚えるポイント
- PTV にはセットアップマージンが含まれる。
- ITV = CTV + 内的マージン。
- BNCT では ¹⁰B の中性子捕獲反応で ⁷Li と ⁴He が発生する。
- BNCT の ⁷Li や ⁴He の飛程は mm ではなく μm レベル。
- 誤っている選択肢を選ぶ問題では、単位の違いに注意する。