77AM8|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
急性期脳梗塞の頭部 MRI の FLAIR 像及び拡散強調像を別に示す。 病変の部位はどれか。

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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、急性期脳梗塞の頭部 MRI で、拡散強調像の高信号部位から病変の解剖学的位置を判断します。
提示画像は、上段が FLAIR 像、下段が 拡散強調像です。
急性期脳梗塞では、拡散制限により拡散強調像で高信号として描出されます。
この画像では、拡散強調像で脳深部の内側寄りに高信号域があり、部位は視床に一致します。
解説
急性期脳梗塞では、細胞性浮腫により水分子の拡散が制限されます。
そのため、発症早期から 拡散強調像〈DWI〉で高信号として描出されます。
一方、FLAIR 像では発症早期には変化が目立たないこともあります。
したがって、急性期脳梗塞の局在を判断する場合は、まず拡散強調像の高信号を確認します。
提示画像の下段の拡散強調像では、画像左寄りの深部灰白質に限局した高信号域がみられます。
画像左上に R 表示があるため、画像左側は患者の右側です。
高信号域は、患者右側の深部、第三脳室の外側付近に位置しています。
この部位は、視床に相当します。
視床は、第三脳室の両側に位置する深部灰白質で、被殻よりも内側、内包よりも内側寄りにあります。
画像でまず見るポイント
急性期脳梗塞では、まず 拡散強調像で白く光っている部位を探します。
次に、その高信号域が深部灰白質、脳幹、小脳、内包などのどこにあるかを解剖学的に確認します。
視床と周囲構造の位置関係
- 視床:第三脳室の外側にある深部灰白質
- 被殻:視床より外側にある基底核
- 内包前脚:尾状核頭とレンズ核の間を走る白質
- 中脳:視床より尾側の脳幹
- 小脳虫部:後頭蓋窩の正中部
この画像の病変は、脳幹や小脳ではなく、左右大脳半球の深部にあります。
また、被殻や内包前脚よりも内側寄りで、視床の位置に一致します。
ひっかけポイント
被殻、内包、視床はいずれも深部構造であり、国家試験では混同しやすい部位です。
特に次のように整理すると判断しやすくなります。
- 被殻:外側寄り
- 内包:被殻と視床・尾状核の間の白質
- 視床:内側寄り、第三脳室の外側
この問題では、病変が内側寄りの深部灰白質にあるため、視床を選びます。
選択肢の確認
1.正しい。
拡散強調像で高信号を示す病変は、深部灰白質の内側寄りに位置しています。
この部位は視床に一致します。
したがって、正答は 1.視床です。
2.誤り。
中脳は脳幹の一部で、視床より尾側に位置します。
提示画像の病変は脳幹内ではなく、大脳深部の視床領域にあります。
したがって、中脳ではありません。
3.誤り。
被殻は基底核の一部で、視床よりも外側に位置します。
この画像の高信号域は、被殻の位置より内側寄りです。
したがって、被殻ではありません。
4.誤り。
小脳虫部は後頭蓋窩の正中にある小脳の構造です。
提示画像の病変は小脳ではなく、左右大脳半球の深部にあります。
したがって、小脳虫部ではありません。
5.誤り。
内包前脚は、尾状核頭とレンズ核の間を走る白質です。
この画像の病変は内包前脚よりも後方かつ内側寄りの深部灰白質にあり、視床の位置に一致します。
したがって、内包前脚ではありません。
覚えるポイント
- 急性期脳梗塞は、拡散強調像で高信号を示す。
- FLAIR 像では、急性期に変化が目立たないことがある。
- 視床は第三脳室の外側にある深部灰白質。
- 被殻は視床より外側、内包はその間の白質として覚える。
- この画像では、拡散強調像の高信号域が内側寄りの深部灰白質にあり、視床梗塞と判断する。
