77AM88|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
X 線 CT のアーチファクトと低減策の組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。
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正解: 3・4
正答
3、4
この問題のポイント
この問題は 2 つ選べ の問題です。
X 線 CT の代表的なアーチファクトと、その低減策の組合せが問われています。
正しい組合せは次の 2 つです。
- 3.パーシャルボリューム効果 薄いスライス厚を用いる。
- 4.ステアステップアーチファクト ピッチ係数を小さくする。
解説
CT 画像では、撮影条件、被検者の動き、金属、X 線の線質変化、再構成条件などにより、さまざまなアーチファクトが生じます。
アーチファクトを低減するには、原因に合った対策を選ぶ必要があります。
パーシャルボリューム効果
パーシャルボリューム効果は、1 つのボクセル内に複数の組織が含まれることで、CT 値が平均化される現象です。
たとえば、薄い構造や小病変が厚いスライス内に含まれると、周囲組織と平均化されて不明瞭になります。
この低減には、薄いスライス厚を用いることが有効です。
ステアステップアーチファクト
ステアステップアーチファクトは、ヘリカル CT の MPR 画像や 3D 画像で、構造物の辺縁が階段状に見えるアーチファクトです。
スライス厚が厚い場合やピッチ係数が大きい場合に目立ちやすくなります。
この低減には、ピッチ係数を小さくする、薄いスライス厚を用いる、再構成間隔を小さくするなどが有効です。
ひっかけポイント
アーチファクト対策は原因とセットで覚えます。
ただ線量を増やせばすべて改善するわけではありません。
ビームハードニングは線質変化が原因なので、管電流を上げるだけでは根本的な低減策になりません。
選択肢の確認
1.誤り。
メタルアーチファクトは、金属による強い吸収、ビームハードニング、フォトン不足などで生じます。
低減には、金属アーチファクト低減処理、管電圧を上げる、適切な再構成法を用いるなどが有効です。
管電圧を下げると透過力が低下し、アーチファクトが悪化しやすくなります。
2.誤り。
被検者固定は体動アーチファクトの低減に有効です。
しかし、この選択肢の「ストリークアーチファクト」に対する代表的な低減策としては不適切です。
ストリークアーチファクトは、金属、フォトン不足、ビームハードニング、投影データ不足など、原因に応じた対策が必要です。
3.正しい。
パーシャルボリューム効果は、1 ボクセル内に複数組織が含まれ、CT 値が平均化されることで起こります。
薄いスライス厚を用いると、深さ方向の平均化が減るため、パーシャルボリューム効果を低減できます。
4.正しい。
ステアステップアーチファクトは、MPR や 3D 画像で辺縁が階段状に見えるアーチファクトです。
ピッチ係数を小さくすると、体軸方向のデータ間隔が細かくなり、ステアステップアーチファクトを低減できます。
5.誤り。
ビームハードニングアーチファクトは、低エネルギー X 線が吸収され、透過後の X 線が硬くなることで生じます。
低減には、補正アルゴリズム、適切なフィルタ、管電圧調整、校正などが用いられます。
管電流を上げても線質変化そのものは補正できないため、根本的な低減策としては不適切です。
覚えるポイント
- パーシャルボリューム効果は、薄いスライス厚で低減する。
- ステアステップアーチファクトは、ピッチ係数を小さくすると低減しやすい。
- メタルアーチファクトでは、管電圧を下げるのではなく、必要に応じて上げる方向を考える。
- 被検者固定は、主に体動アーチファクト対策である。
- ビームハードニングは線質変化が原因であり、管電流増加だけでは根本的対策にならない。