76PM11|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
同一患者で同日に施行した2 回目のCT で、撮影条件の違いによって脾臓のCT 値が異なっていた。 原因で考えられるのはどれか。2 つ選べ。
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正解: 1・5
正答
1、5
この問題のポイント
この問題では、CT 値が撮影条件によって変化する要因を問われています。
「2 つ選べ。」なので、正しい選択肢は 1 と 5です。
CT 値は理想的には物質固有の値として扱いますが、実際には次の影響を受けます。
- X 線エネルギー
- ビームハードニング
- 再構成条件
- 補正処理
- アーチファクト
特に、管電圧の変更とビームハードニング補正の有無は CT 値に影響します。
解説
CT 値は、水を 0 HU、空気を −1000 HU とした相対値です。
しかし、実際の X 線 CT では単色 X 線ではなく、さまざまなエネルギーを含む 連続 X 線を用います。
そのため、管電圧を変えると X 線の実効エネルギーが変化し、組織の線減弱係数の比も変化します。
結果として、同じ脾臓であっても CT 値が変化することがあります。
また、X 線が体内を通過すると低エネルギー成分がより多く吸収され、ビームの平均エネルギーが高くなります。これを ビームハードニングといいます。
ビームハードニングは CT 値のむらや低下、ダークバンドなどのアーチファクトの原因になります。
通常はビームハードニング補正によって CT 値のずれを軽減しますが、この補正を外すと CT 値が変化する原因になります。
一方、ヘリカルピッチ、X 線管回転速度、自動露出機構の目標 SD は、主に被ばく線量、画像ノイズ、時間分解能などに関係します。通常、脾臓の CT 値そのものを大きく変える主因ではありません。
ひっかけポイント
ノイズが変わる条件と、CT 値そのものが変わる条件を区別します。
管電圧と ビームハードニング補正は CT 値に関係します。
目標 SDは主にノイズ量に関係します。
選択肢の確認
1.正しい。
管電圧を下げると X 線の実効エネルギーが低下し、組織の線減弱係数の比が変化します。そのため、同じ脾臓でも CT 値が変化する原因になります。
2.誤り。
ヘリカルピッチを下げると、被ばく線量や画像ノイズ、補間条件などには影響します。しかし、脾臓の CT 値そのものが異なる主因としては不適切です。
3.誤り。
X 線管の回転速度を下げると、時間分解能やモーションアーチファクト、撮影時間などに影響します。CT 値が異なる直接的な原因としては考えにくいです。
4.誤り。
自動露出機構の目標 SD を下げると、画像ノイズを減らすため管電流が増加しやすくなります。主にノイズや線量に関係し、CT 値そのものを変化させる条件ではありません。
5.正しい。
ビームハードニング補正を外すと、X 線の硬化による CT 値のずれやむらが補正されません。そのため、脾臓の CT 値が異なる原因になります。
覚えるポイント
- CT 値は水を 0 HU、空気を −1000 HU とする相対値です。
- CT 値は X 線エネルギーの影響を受けます。
- 管電圧を変えると CT 値が変化することがあります。
- ビームハードニング補正は CT 値のずれやアーチファクトを軽減します。
- 目標 SD、ピッチ、回転速度は主にノイズ、線量、時間分解能に関係します。