77PM10|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
腹部 MRI の T1 強調像を別に示す。 矢印で示すのはどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
腹部 MRI 横断像で、肝内を走行する血管の位置関係を判断する問題です。
矢印で示されているのは、肝内から下大静脈へ向かって合流する肝静脈です。
解説
提示画像は腹部 MRI の T1 強調横断像です。
画像左側に R マーカーがあるため、画像左側が患者の右側です。肝臓は患者右側、つまり画像左側に大きく描出されています。
矢印は、肝内を横走する低信号の管状構造を示しています。この構造は肝門部のグリソン鞘内を走る門脈や肝動脈、肝管ではなく、肝実質内から下大静脈方向へ集まる肝静脈です。
T1 強調像では、血流の速い血管内腔は flow void により低信号として描出されることがあります。肝静脈は肝区域の間を走行し、最終的に下大静脈へ流入します。
一方、門脈、肝動脈、肝管は肝門部から肝内へ入り、グリソン鞘内を伴走します。肝静脈はこれらとは走行が異なり、肝静脈系として下大静脈へ向かう点が重要です。
画像でまず見るポイント
肝内の管状構造を見るときは、肝門部から入る血管・胆管系なのか、下大静脈へ戻る肝静脈系なのかを走行方向で判断します。
ひっかけポイント
肝内の黒い管状構造をすべて門脈と考えないことが大切です。肝静脈はグリソン鞘を伴わず、肝内から下大静脈へ向かって合流します。
選択肢の確認
1.誤り。
肝管は胆汁を流す胆道系の管です。肝門部で門脈や肝動脈とともにグリソン鞘内を走行します。矢印部のように肝静脈として下大静脈へ向かう走行ではありません。
2.誤り。
門脈は消化管や脾臓からの血液を肝臓へ運ぶ血管で、肝門部から肝内へ分岐します。門脈枝はグリソン鞘内を走行するため、肝動脈や胆管と近接します。矢印で示す構造は、肝実質内から下大静脈方向へ向かう肝静脈の走行に合います。
3.正しい。
矢印で示す管状の低信号構造は肝静脈です。肝静脈は肝内の血液を集め、下大静脈へ直接流入します。T1 強調像では血流により低信号に描出されることがあります。
4.誤り。
肝動脈は腹腔動脈から分岐し、肝門部から肝内へ入ります。門脈や肝管とともにグリソン鞘内を走行するため、矢印部のような太い肝静脈系の走行とは異なります。
5.誤り。
奇静脈は胸部後縦隔を上行し、上大静脈へ流入する静脈です。腹部肝内を走る血管ではありません。提示画像の矢印部は肝内血管であり、奇静脈ではありません。
覚えるポイント
- 肝静脈は肝内の血液を集めて下大静脈へ流入します。
- 門脈、肝動脈、肝管は肝門部から入り、グリソン鞘内を伴走します。
- 肝静脈はグリソン鞘を伴わず、肝区域間を走ります。
- T1 強調像では血流のある血管が低信号に見えることがあります。
- 肝臓の脈管問題では、流入系は門脈・肝動脈、流出系は肝静脈と整理します。
