77PM11|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
標識化合物の純度で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
標識化合物の品質管理では、放射性核種純度、放射化学的純度、化学的純度、標識率を区別することが重要です。
特に国家試験では、次の対応を押さえます。
- 放射性核種純度:目的核種かどうか
- 放射化学的純度:目的の化学形で存在しているか
- 化学的純度:非放射性の化学的不純物が少ないか
- 標識率:目的化合物にどの程度標識されたか
解説
標識化合物は、放射性核種を特定の化合物に結合させたものです。
保存中には、放射線の自己分解、酸化、還元、加水分解、標識結合の切断などが起こることがあります。これにより、目的の化学形とは異なる放射性化学種が増えることがあります。
このように、目的とする化学形以外の放射性成分が生じたものを放射化学的不純物といいます。
したがって、標識化合物を長時間保存すると放射化学的不純物が生成されることがあり、3 が正しいです。
純度の整理
放射性核種純度は、全放射能のうち目的とする放射性核種が占める割合です。化学形ではなく、核種が目的のものかどうかを見ます。
放射化学的純度は、放射性核種が目的とする化学形で存在している割合です。遊離した核種や分解物が増えると低下します。
化学的純度は、非放射性の化学的不純物の少なさを表します。放射能の割合そのものを示す指標ではありません。
ひっかけポイント
「核種純度」は核種の種類を見る指標です。
「放射化学的純度」は化学形を見る指標です。
名前が似ていますが、見ている対象が違います。
選択肢の確認
1.誤り。
標識率は、目的化合物に放射性核種がどの程度標識されたかを表す指標です。放射性核種純度は、全放射能のうち目的核種が占める割合を示すため、標識率とは同義ではありません。
2.誤り。
高速液体クロマトグラフィは、主に化学形の分離や放射化学的純度の検定に用いられます。放射性核種純度の検定では、γ線スペクトル測定や半減期測定などにより、目的核種以外の混入を調べます。
3.正しい。
標識化合物は保存中に放射線分解や化学的分解を起こし、目的化学形以外の放射性成分が増えることがあります。これが放射化学的不純物です。
4.誤り。
「目的とする化学形で放射性核種がその物質の全放射能に占める割合」は、化学的純度ではなく放射化学的純度の説明です。化学的純度は非放射性の化学的不純物も含めて評価する概念です。
5.誤り。
「化学形に関係なく着目する放射性核種の放射能が全放射能に占める割合」は、放射性核種純度の説明です。放射化学的純度では、目的核種であるだけでなく、目的の化学形で存在しているかを評価します。
覚えるポイント
- 放射性核種純度は、目的核種かどうかを評価します。
- 放射化学的純度は、目的の化学形かどうかを評価します。
- 化学的純度は、非放射性の化学的不純物を含めて評価します。
- 標識化合物の長時間保存では、放射線分解により放射化学的不純物が増えることがあります。
- HPLC は主に化学形の分離や放射化学的純度の評価で用いられます。