77PM17第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

核医学診療技術学臨床核医学検査学内分泌

放射性医薬品の投与前に甲状腺ブロックが必要な検査はどれか。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5

この問題のポイント

甲状腺ブロックは、遊離ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを防ぐ目的で行います。

放射性ヨウ素標識薬剤を用いる検査では、薬剤から遊離した放射性ヨウ素が甲状腺に集積することがあるため、事前に安定ヨウ素を投与して甲状腺への取り込みを抑えます。

解説

副腎皮質シンチグラフィでは、代表的に ¹³¹I−アドステロールなどのヨウ素標識コレステロール類似物質が用いられます。

この薬剤は副腎皮質に集積しますが、体内で遊離した放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれる可能性があります。

そのため、検査前からヨウ化カリウムやルゴール液などを用いて、甲状腺を安定ヨウ素で飽和させます。これにより、放射性ヨウ素の甲状腺摂取を抑制します。

これが甲状腺ブロックです。

ひっかけポイント
甲状腺ブロックが必要なのは、甲状腺を観察したい検査ではありません。
甲状腺に余計な放射性ヨウ素を集めたくない検査で行います。

選択肢の確認

1.誤り。
肝胆道シンチグラフィでは、主に ⁹⁹ᵐTc 標識の IDA 系製剤が用いられます。胆汁排泄や胆道通過を評価する検査であり、放射性ヨウ素による甲状腺集積を防ぐ目的の甲状腺ブロックは通常必要ありません。

2.誤り。
甲状腺シンチグラフィは、甲状腺への集積を利用して機能や形態を評価する検査です。甲状腺ブロックを行うと目的臓器である甲状腺への取り込みが抑制されてしまうため、不適切です。

3.誤り。
唾液腺シンチグラフィでは、⁹⁹ᵐTc−過テクネチウム酸などが用いられます。唾液腺への取り込みと排泄を評価する検査であり、副腎皮質シンチグラフィのような放射性ヨウ素標識薬剤による甲状腺ブロックは通常必要ありません。

4.誤り。
副甲状腺シンチグラフィでは、⁹⁹ᵐTc−MIBI などが用いられます。副甲状腺腺腫や過形成の局在診断に用いられ、放射性ヨウ素の甲状腺取り込みを防ぐための甲状腺ブロックは通常行いません。

5.正しい。
副腎皮質シンチグラフィでは、¹³¹I−アドステロールなどの放射性ヨウ素標識薬剤を用います。遊離した放射性ヨウ素の甲状腺集積を防ぐため、投与前に甲状腺ブロックが必要です。

覚えるポイント

  • 甲状腺ブロックは、放射性ヨウ素の甲状腺集積を防ぐ処置です。
  • 副腎皮質シンチグラフィでは、¹³¹I 標識薬剤を用いるため甲状腺ブロックが必要です。
  • 甲状腺シンチグラフィでは、甲状腺への集積そのものを評価するため甲状腺ブロックは行いません。
  • ⁹⁹ᵐTc 標識薬剤を用いる一般的な肝胆道、副甲状腺、唾液腺検査では、通常この目的の甲状腺ブロックは不要です。
  • 「ヨウ素標識薬剤」と「甲状腺ブロック」をセットで覚えます。

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