77PM55|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
電離放射線の細胞に対する作用で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
電離放射線の細胞作用には、直接作用と間接作用があります。
- 直接作用:放射線が DNA などの標的分子を直接電離・励起する
- 間接作用:水の放射線分解で生じたフリーラジカルが DNA などを障害する
高 LET 放射線では、電離密度が高く、DNA への直接的な障害が重要になります。
解説
細胞は水を多く含むため、X 線や γ 線などの低 LET 放射線では、水分子が電離されて生成されるフリーラジカルによる間接作用が大きな割合を占めます。
一方、高 LET 放射線では、粒子の飛跡に沿って高密度の電離が生じます。そのため、DNA などの標的分子に直接エネルギーが付与されやすく、直接作用が主になります。
DNA 損傷には、塩基損傷、一本鎖切断、二本鎖切断などがあります。特に二本鎖切断は細胞死や突然変異に関係する重要な損傷ですが、すべてが修復不能というわけではありません。非相同末端結合や相同組換え修復などにより修復される場合があります。
ひっかけポイント
フリーラジカルは間接作用です。
直接作用と間接作用の説明を逆にしないようにします。
LET の整理
LET〈linear energy transfer〉は、放射線が単位長さあたりに物質へ与えるエネルギーを表します。
高 LET 放射線では、局所に密な電離が起こるため、複雑な DNA 損傷が生じやすく、生物効果が大きくなります。
選択肢の確認
1.誤り。
間接作用は、水の放射線分解で生じるフリーラジカルの拡散や反応に依存します。低温では分子運動やラジカル反応が抑えられるため、一般に間接作用は増強されるとはいえません。
2.正しい。
高 LET 放射線では、電離密度が高く、DNA などの標的分子に直接エネルギーが付与されやすくなります。そのため、直接作用が主となります。
3.誤り。
DNA の二本鎖切断は重篤な損傷ですが、必ず修復不能というわけではありません。非相同末端結合や相同組換え修復により修復される場合があります。ただし、誤修復や修復不能の場合は細胞死や突然変異につながります。
4.誤り。
フリーラジカルによる作用は間接作用です。直接作用は、放射線が DNA などの標的分子を直接電離・励起する作用です。
5.誤り。
間接作用による DNA 障害は、一本鎖切断だけに限定されません。塩基損傷、一本鎖切断、二本鎖切断など、さまざまな DNA 損傷が生じます。
覚えるポイント
- 直接作用は、放射線が DNA などを直接障害します。
- 間接作用は、水の放射線分解で生じたフリーラジカルが障害します。
- 低 LET 放射線では間接作用の割合が大きいです。
- 高 LET 放射線では直接作用が主になります。
- DNA 二本鎖切断は重篤ですが、必ずしもすべて修復不能ではありません。