78AM96第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

放射線安全管理学放射線防護の基本概念放射線防護体系

国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007 年勧告における現存被ばく状況の公衆被ばく に定められた線量制限で正しいのはどれか。

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正解: 4

正答

4.参考レベル

問題のポイント

ICRP 2007年勧告では、被ばく状況を大きく次の3つに分けて考えます。

  • 計画被ばく状況
  • 緊急時被ばく状況
  • 現存被ばく状況

このうち、現存被ばく状況とは、すでに存在している線源や汚染による被ばくを管理する状況です。
例として、自然放射線による被ばく、過去の事故や過去の行為に由来する残存汚染などが含まれます。

なぜ参考レベルが正しいか

ICRP 2007年勧告では、緊急時被ばく状況や現存被ばく状況における防護の最適化に、参考レベルを用います。

参考レベルは、「この値以下に抑えることを目標に、防護を最適化するための目安」です。
線量限度のように、超えてはいけない法的な上限という性格ではありません。

現存被ばく状況では、すでに存在している被ばくを現実的に低減していく必要があります。
そのため、参考レベルを設定し、それを上回る被ばくを優先的に低減する、という考え方をとります。

したがって、現存被ばく状況の公衆被ばくに定められた線量制限として正しいのは、4.参考レベルです。

他の選択肢との区別

1.線量限度
誤りです。
線量限度は、主に計画被ばく状況で用いられます。
現存被ばく状況では、線量限度ではなく参考レベルを用いて防護の最適化を進めます。

2.耐容線量
誤りです。
耐容線量は古い放射線防護の考え方であり、ICRP 2007年勧告における現存被ばく状況の線量制限として用いる用語ではありません。

3.介入レベル
誤りです。
介入レベルは、ICRP 1990年勧告以前の「介入」の考え方で用いられた用語です。
ICRP 2007年勧告では、被ばく状況を3分類し、現存被ばく状況では参考レベルを用いる考え方に整理されています。

4.参考レベル
正しいです。
現存被ばく状況や緊急時被ばく状況で、防護の最適化に用いる線量の目安です。

5.線量拘束値
誤りです。
線量拘束値は、主に計画被ばく状況で、特定線源からの個人線量を制限するための最適化の道具として使われます。
現存被ばく状況の公衆被ばくで用いる代表的な線量制限は参考レベルです。

覚えるポイント

ICRP 2007年勧告では、被ばく状況と線量制限をセットで覚えます。

  • 計画被ばく状況:線量限度、線量拘束値
  • 緊急時被ばく状況:参考レベル
  • 現存被ばく状況:参考レベル

本問では、現存被ばく状況の公衆被ばくを問うているため、正答は4.参考レベルです。

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