78PM63|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
中性子で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
この問題のポイント
中性子の発生、質量、エネルギー、物質との相互作用についての問題です。
中性子は電荷を持たない粒子なので、電子と直接強く相互作用するのではなく、主に原子核と相互作用します。
特に、エネルギーの低い 熱中性子 では、原子核に吸収される 捕獲反応 が重要になります。
したがって、正しい選択肢は
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
です。
解説
中性子は、陽子とほぼ同じくらいの質量を持つ粒子です。
電子よりはるかに重く、電荷を持たないため、物質中では原子核との反応が中心になります。
中性子の相互作用は、エネルギーによって特徴が変わります。
高速中性子では、水素原子核などとの弾性散乱によってエネルギーを失うことが重要です。
一方、熱中性子のように十分に減速された中性子では、原子核に取り込まれる捕獲反応が起こりやすくなります。
捕獲反応では、原子核が中性子を取り込み、余分なエネルギーをγ線などとして放出することがあります。
このため、熱中性子では捕獲反応が重要な相互作用になります。
選択肢の確認
1.光電効果に伴い発生する。
誤りです。
光電効果は、光子が原子の軌道電子にエネルギーを与え、光電子を放出する現象です。
発生するのは主に電子であり、中性子ではありません。
2.静止質量は電子よりも小さい。
誤りです。
中性子の質量は電子よりはるかに大きく、陽子とほぼ同程度です。
電子より小さいという記述は逆です。
3.中性子源として241Amの自発核分裂を利用する。
誤りです。
241Amは主にα線を放出する核種です。
中性子源としては、241AmとBeを組み合わせた Am-Be中性子源 があり、これはα線とBeの反応で中性子を発生させます。
自発核分裂を利用する代表的な中性子源は、252Cfなどです。
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
正しいです。
熱中性子はエネルギーが低く、原子核に捕獲されやすい中性子です。
そのため、熱中性子では捕獲反応が重要な相互作用になります。
これが本問の正答です。
5.核分裂で発生する即発中性子の平均エネルギーは約10 keVである。
誤りです。
核分裂で発生する即発中性子の平均エネルギーは、keV程度ではなく、MeV程度です。
一般に約2 MeV程度として扱われます。
10 keVでは低すぎます。
覚えるポイント
中性子は、エネルギーによって相互作用を整理します。
- 高速中性子:弾性散乱で減速されやすい
- 熱中性子:捕獲反応が重要
- 中性子の質量:電子よりはるかに大きく、陽子に近い
- Am-Be中性子源:241Amのα線とBeの反応で中性子を発生
- 252Cf:自発核分裂を利用する代表的な中性子源
- 核分裂即発中性子:平均エネルギーはMeV程度
この問題では、熱中性子の相互作用として捕獲反応が重要であるため、正しい選択肢は
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
です。