36PM125第36回 管理栄養士国家試験 過去問

臨床栄養学第36回午後・問111〜136

70 歳、男性。くも膜下出血後、意識がなく、経腸栄養剤のみにて3 週間経過したところで、血清ナトリウム値150 mEq/L、ヘマトクリット値55%、ツルゴール(皮膚の緊張度)の低下を認めた。投与エネルギー量の設定を変更せずに対処した栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

経腸栄養中に生じた高ナトリウム血症・脱水(血清ナトリウム150、ヘマトクリット55%、皮膚のツルゴール低下)に対し、投与エネルギー量を変えずにどう対処するかを問う問題です。

解説

この患者は血清ナトリウム値が高く、ヘマトクリット値も高値で、ツルゴール(皮膚の張り)が低下しています。これらはいずれも体内の水分が不足した脱水(高張性脱水)を示す所見です。

脱水では血液が濃縮するため、ナトリウム濃度が上がり、ヘマトクリットも上昇します。原因は経腸栄養剤で水分が足りていなかったことです。

対処の基本は不足している水分を補うことです。投与エネルギー量は変えない条件なので、栄養剤の量や組成でエネルギーをいじるのではなく、白湯などで水分を追加投与します。ナトリウムを増やすのは高ナトリウム血症を悪化させるため誤りです。

選択肢の確認

1.1.0 kcal/mL から2.0 kcal/mL の栄養剤に変更した。
誤り。高濃度の栄養剤にすると同じエネルギーでも水分量が減り、脱水が悪化します。

2.たんぱく質エネルギー比率の低い栄養剤に変更した。
誤り。組成変更は水分不足の解決にならず、この病態への対処になりません。

3.脂肪エネルギー比率の高い栄養剤に変更した。
誤り。脂肪比率を上げても水分不足は改善せず、脱水の対処になりません。

4.投与するナトリウム量を増やした。
誤り。すでに高ナトリウム血症であり、ナトリウムを増やすと悪化します。

5.投与する水分量を増やした。
正しい。高張性脱水に対して不足している水分を補うのが適切な対処です。

覚えるポイント

  • 高ナトリウム血症とヘマトクリット高値、ツルゴール低下は脱水のサイン。
  • 経腸栄養では水分不足を起こしやすい。
  • 高張性脱水の基本対処は水分補給、ナトリウム追加ではない。

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