37PM199第37回 管理栄養士国家試験 過去問

応用力試験第37回午後・問171〜200

次の文を読み「198」、「199」、「200」に答えよ。 K 市健康増進課の管理栄養士である。 K 市(5 万人)では健康増進計画の一環として、減塩の取組を行ってきた。取組開始時に、食塩摂取量と減塩に対する意識について調査を行っており、減塩に対する意識が高い者の方が食塩摂取量が少なかった。計画は10 年計画で、5 年目に中間評価を行った。表は過去4 年間に行った取組である。 表 K 市の4 年間の減塩の取組 取組1 市のウェブサイトにおける減塩料理のレシピの掲載 計80 レシピ掲載 取組2 減塩に関する市民公開講座の開催 年1 回 200 人参加 取組3 減塩料理の調理実習の開催 平日年4 回 20 人/回参加 図の要約:取組開始時 → 中間評価時で、平均値は11.3 g → 10.9 g、標準偏差は2.5 g → 3.1 g、最小値・最大値と最頻階級は変わらず、第1・第2 四分位点は低い側へ、第3 四分位点は高い側へ移動している。 図1 から図2 に至った食塩摂取量の変化の理由について、表の4 年間の取組から 考察した。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

食塩摂取量の分布が二極化した理由を、4年間の取組の「性質」から考察できるかが問われています。事例問題なので、開始時調査の情報と結果の変化を結び付けて考えます。

解説

表の取組は、ウェブサイトのレシピ閲覧、市民公開講座への参加、調理実習への参加のいずれも、本人が自ら情報を取りに行き、申し込んで参加するタイプのものです。

このような自発的参加型の取組は、もともと減塩に関心のある(意識の高い)人ほど利用しやすい性質があります。開始時調査では、意識が高い者ほど食塩摂取量が少ないことが分かっていました。したがって、今回の分布の変化は「取組が関心の高い層に偏って届き、関心の低い層には届きにくかった」という考察と整合します。ただし、各時点で別の市民を抽出した横断調査なので、同じ個人が取組によって増減したとまでは断定できません。

ひっかけ注意
参加人数や実施頻度の少なさも取組の弱点ですが、それだけでは「摂取量が多い層で摂取量が上がった」という変化の方向まで説明できません。

選択肢の確認

1.減塩レシピを、市のウェブサイトで掲載したため
最も適切とはいえない。レシピ掲載は取組の一つの手段を述べたにすぎません。ウェブサイトを見るのは関心のある人であり、この記述だけでは分布が両側に広がった変化全体の理由になりません。

2.減塩に対する意識の高い人向けの取組になっていたため
最も適切である。3つの取組はいずれも自発的な閲覧・参加が前提で、意識の高い人に偏って届きやすい内容でした。開始時の意識と摂取量の関係を踏まえると、観察された分布の変化を最もよく説明する考察です。

3.参加者人数が限られていたため
最も適切とはいえない。公開講座は年200人、調理実習は年80人程度と、人口5万人の市では確かにわずかです。しかし人数の少なさは効果が全体に広がらなかった理由にはなっても、摂取量の多い層で摂取量が上がったことの説明にはなりません。

4.実施頻度が少なかったため
最も適切とはいえない。頻度の少なさも量的な限界の説明にとどまり、分布が二極化した理由の考察としては最も適切とはいえません。

覚えるポイント

  • 自発的参加型の教育的アプローチは、もともと意識の高い人に偏って届き、健康格差を広げる可能性がある。
  • 事例の考察問題は、開始時調査の情報(意識と摂取量の関連)と結果(分布の変化)を結び付けて理由を選ぶ。
  • 「人数・頻度の不足」は量的な限界、「対象の偏り」は質的な限界。結果の変化の方向を説明できる方を選ぶ。

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