39PM186第39回 管理栄養士国家試験 過去問

応用力試験第39回午後・問171〜200

次の文を読み「184」、「185」、「186」に答えよ。 K 総合病院の在宅診療部に勤務する管理栄養士である。 患者は、76 歳、独居男性。脳梗塞後遺症により要支援1。嚥下機能に問題はない。高血圧症のため通院加療を続けていた。最終通院時、血圧112/68 mmHg、身長167cm、体重62 kg、BMI 22.2 kg/m²。 1週間前に、発熱、咽頭痛が生じ、近医を受診したところ、新型コロナウイルス感染症と診断された。自宅での薬物療法により、発熱、咽頭痛は改善された。解熱鎮痛薬服用6日目に、心窩部痛と食欲不振が出現した。翌日になっても症状が改善しないため、近医から当院に連絡があり、担当医が男性宅を訪問し、診療した。 口渇を訴えているものの、心窩部痛があるため市販のゼリー飲料と経口補水液のみを摂取していた。尿検査を行ったところ、濃縮尿であった。入院加療の必要性はないと担当医が判断し、在宅で加療することとなった。 担当医の訪問から4日目になると食欲が出てきて、患者は訪問介護員に食材の購入依頼を行い、おかゆを少しずつ食べ始めていた。数日後に訪問看護師から「心窩部痛はあるものの、全身状態が改善している。おかゆの他に何か食べたそうにしている。」と連絡があった。患者が希望する副食のうち、管理栄養士が勧めるものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

解熱鎮痛薬(NSAIDs)の服用後に心窩部痛と食欲不振が出現した高齢患者に対し、回復期に勧める副食を選ぶ問題です。胃にやさしく、消化が良く、たんぱく質を補給できる料理を選びます。

解説

この患者は、解熱鎮痛薬の服用6日目に心窩部痛(みぞおちの痛み)と食欲不振が出現しています。解熱鎮痛薬(NSAIDs)は胃粘膜を保護するプロスタグランジンの産生を抑えるため、胃炎や胃潰瘍などの胃粘膜障害を起こしやすい薬です。心窩部痛はその典型的な症状と考えられます。

したがって、食事再開にあたっては、胃への刺激が少なく、消化の良い食品を選ぶことが基本です。具体的には、香辛料などの刺激物、脂質の多い料理、食物繊維が多く硬い食材は避けます。

一方、発熱と食欲不振が続いた後の回復期であり、体力回復のために良質のたんぱく質を補給することも大切です。おかゆに合わせる副食としては、軟らかく、脂質が少なく、消化の良いたんぱく質源が適しています。

ひっかけ注意:嚥下機能に問題はないため、嚥下調整食の視点ではなく「胃粘膜障害に配慮した消化の良い食事」という視点で選びます。

選択肢の確認

1.麻婆豆腐
最も適切とはいえない。豆腐自体は消化が良いものの、麻婆豆腐は唐辛子や豆板醤などの香辛料を多く使う刺激の強い料理です。心窩部痛のある患者の胃粘膜をさらに刺激するおそれがあります。

2.筑前煮
最も適切とはいえない。ごぼう、れんこん、たけのこなど食物繊維が多く硬い根菜類が中心の料理で、消化に時間がかかり胃への負担が大きくなります。

3.ビーフシチュー
最も適切とはいえない。牛肉やルウを使った脂質の多い料理です。脂質は胃内停滞時間が長く、心窩部痛のある患者には胃の負担となります。

4.とりつくね煮
最も適切である。鶏ひき肉を丸めて煮た料理で、軟らかく消化が良く、脂質も比較的少なく、良質のたんぱく質を補給できます。おかゆから食上げしていく段階の副食として適しています。

覚えるポイント

  • NSAIDs(解熱鎮痛薬)はプロスタグランジン産生抑制により胃粘膜障害(心窩部痛・胃潰瘍)を起こしやすい
  • 胃粘膜障害時の食事は、香辛料・高脂質・硬い高食物繊維食品を避け、消化の良いものを選ぶ
  • 回復期には、軟らかく脂質の少ないたんぱく質源(鶏ひき肉、豆腐、白身魚、卵など)でたんぱく質を補給する

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