111AM016|第111回 看護師国家試験 過去問

Open-ended question〈開かれた質問〉はどれか。

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正解: 4

正答

4.「自宅ではどのように過ごしていましたか」

この問題のポイント

質問の型である開かれた質問と閉じた質問を区別できるかを問う基本問題です。見分ける鍵は、「はい・いいえ」や一言で答えが完結するかどうかです。「どのように」「どんな」などの語を使い、相手が自分の言葉で自由に語れる問いかけが開かれた質問にあたります。選択肢1〜3はいずれも「〜か」で有無や可否を尋ねる形なので、答えが「はい」か「いいえ」に限られます。

解説

質問の2つの型

看護師が患者から情報を得たり関係を築いたりするときの質問は、答え方の自由度によって大きく2つに分けられます。

  • 開かれた質問(open-ended question):答えの範囲をあらかじめ限定しない質問です。相手が内容と言葉を自分で選んで答えます。「どのように」「どんな」「どう感じていますか」「〜について聞かせてください」などの形をとります。
  • 閉じた質問(closed question):「はい」「いいえ」、または数値や名称などの一言で答えが完結する質問です。「〜はありますか」「〜できましたか」「何時に〜しましたか」などの形をとります。

実際に返ってくる答えを想像すると見分けやすくなります。「はい」「いいえ」だけで会話が終われる問いは閉じた質問です。答える人が何をどう話すかを自分で組み立てる必要がある問いは開かれた質問です。

長所・短所と使い分け

開かれた質問の強みは、患者の生活、考え、感情、病気の受け止め方など、看護師が想定していなかった情報まで引き出せる点です。患者は「話を聴いてもらえている」と感じやすく、信頼関係の形成にも役立ちます。一方で、答えるのに時間と労力がかかり、話が広がりすぎることもあります。

閉じた質問の強みは、必要な事実を短時間で正確に確認できる点です。症状の有無、既往歴、アレルギー、服薬の確認などに向いています。ただし、質問者が想定した範囲の情報しか得られません。続けて使うと尋問のような印象を与え、患者が受け身になりやすくなります。

場面ごとの使い分けは次のとおりです。

  • 入院時の面接、関係づくりの初期、思いや生活背景を知りたい場面:開かれた質問で語りを促します。
  • 急変時や、呼吸困難・強い痛み・意識レベルの低下・強い疲労などで話すこと自体が負担になる場面:閉じた質問で要点を確認します。うなずきや首振りでも答えられるため、気管挿管中など発声できない患者にも有効です。
  • 実際の面接の基本:開かれた質問で全体像を聴き、閉じた質問で部位・時期・程度などの具体的な事実を確かめる、という組み合わせです。

避けたい質問のしかた

  • 否定形の質問:「〜ませんか」「〜ありませんか」という尋ね方は、「いいえ、大丈夫です」という答えを想定しているように受け取られることがあります。その結果、症状を訴えにくくさせる場合があります。さらに、「はい」が「痛い」と「痛まない」のどちらを意味するのか曖昧になりやすい問題もあります。症状の有無を確認するなら「痛みはありますか」と肯定形で尋ねるほうが確実です。
  • 誘導的な質問:「〜ですよね」のように特定の答えを期待する質問では、本当の気持ちを引き出せません。
  • 一度に複数を尋ねる質問:どれに答えればよいか分からなくなります。
  • 「なぜ」で問いただす質問:責められているように感じさせ、防衛的な反応を招くことがあります。

この問題への当てはめ

選択肢4は「どのように」を用いて、入院前の生活の様子を患者自身の言葉で語ってもらう問いかけです。「はい」「いいえ」では答えられません。患者は、日常生活動作、食事や睡眠の習慣、家族との関わり、楽しみにしていることなど、話したい内容を自分で選んで答えることができます。こうして得た生活背景は、入院中の援助だけでなく、退院後の生活を見据えた看護計画にも生かせます。

選択肢の確認

1.「頭は痛みませんか」:頭痛の有無を尋ねる形で、「はい」「いいえ」で答えが完結する閉じた質問です。症状の有無を素早く確かめる場面では役立ちます。ただし否定形のため「痛くない」という答えを想定しているように聞こえ、訴えを控えさせたり、「はい」の意味を曖昧にしたりするおそれがあります。開かれた質問にするなら「頭の具合はいかがですか」などと言い換えます。

2.「昨夜は眠れましたか」:眠れたかどうかの可否を問う形で、「はい」「いいえ」で答えられる閉じた質問です。睡眠状況の確認によく使われますが、この質問だけでは入眠までの時間、中途覚醒の有無、眠れなかった理由などは分かりません。「昨夜の眠りの具合はいかがでしたか」と開かれた形で尋ねれば、睡眠を妨げていた不安や痛みなどが語られる可能性が広がります。

3.「気分は悪くありませんか」:気分不良の有無を確かめる質問で、「はい」「いいえ」で答えが終わるため閉じた質問にあたります。選択肢1と同じく否定形であり、「大丈夫です」と答えやすい聞き方です。吐き気などの有無を確かめたいなら「吐き気はありますか」と肯定形で尋ね、全体的な状態を知りたいなら「今のご気分はいかがですか」と開かれた形で尋ねます。

4.「自宅ではどのように過ごしていましたか」:正答。「どのように」を用いて答えの範囲を限定しておらず、患者が自分の言葉で自由に答えられる開かれた質問です。入院前の生活習慣、セルフケアの状況、家族との関係などを把握する手がかりになります。

覚えるポイント

  • 開かれた質問は、相手が自分の言葉で自由に答える質問です(「どのように」「どんな」「どう感じていますか」「〜について聞かせてください」)。
  • 閉じた質問は、「はい・いいえ」や一言で答えが完結する質問です(「〜はありますか」「〜できましたか」「何時ですか」)。
  • 開かれた質問は思い・生活背景・受け止め方の把握と関係づくりに向き、閉じた質問は事実の確認と、急変時や話すことが負担な患者に向きます。
  • 面接は「開かれた質問で全体を聴く→閉じた質問で具体的に確かめる」の組み合わせが基本です。
  • 否定形の質問、誘導的な質問、一度に複数を尋ねる質問、「なぜ」で問いただす質問は、正確な情報や本音を得にくくするため避けます。

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