111AM020|第111回 看護師国家試験 過去問
使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。
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正解: 2
正答
2.黄
この問題のポイント
感染性廃棄物の容器に付けるバイオハザードマークの色分けを問う問題です。手がかりは「使用後の注射針」という言葉で、廃棄物の性状でいう「鋭利なもの」にあたります。マークの色は性状によって赤(液状・泥状)、橙(固形状)、黄(鋭利なもの)に分かれています。この区分を知っていれば黄を選べます。
解説
感染性廃棄物とバイオハザードマーク
医療機関から出る廃棄物のうち、人が感染する、または感染するおそれのある病原体が含まれている、または付着している(そのおそれがある)ものを感染性廃棄物といいます。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では特別管理廃棄物に位置づけられています。一般のごみとは分けて、排出から処分まで厳重に管理しなければなりません。取扱いの具体的な基準は、環境省の「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に示されています。
感染性廃棄物にあたるかどうかは、次の3つの観点から判断します。
- 形状:血液・体液、病理廃棄物、血液が付着した鋭利なものなど
- 排出場所:手術室、集中治療室、感染症病床など
- 感染症の種類
このマニュアルでは、関係者が感染性廃棄物だと識別できるよう、容器にマークを付けることとしています。全国共通のマークとして推奨されているのがバイオハザードマークです。さらに、廃棄物の性状に応じてマークの色を分けることが望ましいとされ、次の3色が用いられます。
- 赤:液状または泥状のもの(血液、体液など)
- 橙:固形状のもの(血液などが付着したガーゼ、脱脂綿、手袋など)
- 黄:鋭利なもの(注射針、メスの刃、破損したアンプルやガラス製品など)
色分けと容器の性状はセットで考える
色分けは単なる目印ではなく、中身に合った容器を選ぶことと結びついています。
- 液状・泥状のもの:中身が漏れ出さない密閉容器
- 固形状のもの:丈夫なプラスチック袋を二重にして使うか、堅牢な容器
- 鋭利なもの:針が突き抜けない耐貫通性のある堅牢な容器(金属製やプラスチック製)
使用後の注射針をビニール袋に入れると、針が袋を突き抜けます。そうなると、回収や運搬をする人の針刺し事故につながります。そのため注射針は耐貫通性容器に入れ、黄色のマークで「鋭利物が入っている」と周囲に知らせます。なお、注射針やメスなどの鋭利なものは、血液が付着していない場合でも感染性廃棄物と同等に扱うこととされています。
臨床での安全な廃棄と針刺し時の対応
針刺し・切創は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)など、血液を介して感染する病原体の主要な感染経路です。標準予防策では、次の点が基本になります。
- 使用後の針はリキャップせず、そのまま耐貫通性容器に捨てます。やむを得ずリキャップする場合は、キャップを台に置き、片手ですくい上げる方法をとります。
- 廃棄容器は処置を行う場所のすぐ近くに置きます。ベッドサイドへ持参するのが基本です。
- 容器は満杯になる前(8割程度が目安)に交換し、押し込んだり、あふれた状態で放置したりしません。
万一針刺しが起きたら、次の順に対応します。
- 直ちに流水で十分に洗い流し、速やかに上司や感染管理部門へ報告します。
- 感染源となった患者の感染症の有無を確認します。
- 必要に応じて、B型肝炎ワクチンや抗HBs人免疫グロブリンの投与、抗HIV薬の予防内服などにつなげます。
予防内服は開始が早いほど効果が期待できるため、報告を遅らせないことが重要です。
選択肢の確認
1.赤:赤色のバイオハザードマークは、血液や体液など液状または泥状の感染性廃棄物を入れる容器に付けます。液体が漏れないことが重要な廃棄物なので、容器も密閉できるものを使います。「血液=赤」と連想しやすい色ですが、注意が必要です。注射針のように血液が付着していても形状が鋭利なものは、液状ではなく鋭利なものとして分類します。
2.黄:正答。黄色のバイオハザードマークは、注射針、メスの刃、破損したアンプルなど鋭利なものを入れる容器に付けます。使用後の注射針は、耐貫通性のある容器に入れます。そのうえで黄色のマークによって、中に鋭利物があることを周囲に知らせます。
3.黒:感染性廃棄物のマークは性状別に3色が定められており、黒色はそのいずれにも該当しません。黒は、災害時のトリアージタッグで「死亡または救命不可能(区分0)」を示す色としてよく問われます。色の意味を取り違えないよう注意してください。
4.橙:橙色のバイオハザードマークは、血液などが付着したガーゼ、脱脂綿、手袋などの固形状の感染性廃棄物を入れる容器に付けます。丈夫なプラスチック袋を二重にするか、堅牢な容器に収めます。注射針も形のある固形物ですが、突き刺さる危険があるため固形状とは区別します。分類は選択肢2になります。
覚えるポイント
- バイオハザードマークの色:赤=液状・泥状(血液・体液)、橙=固形状(血液付着ガーゼ・手袋)、黄=鋭利なもの(注射針・メス)
- 容器の選び方:液状は密閉容器、固形状は二重の丈夫な袋か堅牢な容器、鋭利なものは耐貫通性の堅牢な容器
- 注射針などの鋭利なものは、血液が付着していなくても感染性廃棄物と同等に扱う
- 使用後の針はリキャップせず、使用場所の近くに置いた容器へ直ちに捨てる。容器は満杯になる前(8割程度)に交換する
- 針刺し時は、流水で洗浄 → 速やかに報告 → 感染源の確認と予防措置(HBワクチン・免疫グロブリン・抗HIV薬)の順に対応する
- トリアージタッグの色(黒・赤・黄・緑)と混同しない。黒は区分0(死亡・救命不可能)
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