111AM050|第111回 看護師国家試験 過去問

乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。

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正解: 4

正答

4.「仰向けで検査を行います」

この問題のポイント

乳房超音波検査の体位・前処置・実施時期について、患者に正しく説明できるかを問う問題です。手がかりは「超音波検査」という語です。同じ乳房の検査でもマンモグラフィ(乳房X線撮影)とは方法がまったく異なること、また腹部超音波検査のような絶食が乳房では不要であることを区別できるかが鍵になります。

解説

乳房超音波検査のしくみ

乳房超音波検査は、**探触子(プローブ)**を皮膚にあてて超音波を送り、組織から返ってくる反射波を画像にする検査です。超音波は空気をほとんど通らないため、皮膚と探触子のあいだにエコーゼリーを塗って空気を除きます。

  • 放射線被曝がなく、乳房を圧迫しないため、妊娠中・授乳中の女性や若年者にも行え、繰り返しの検査も可能です。
  • 腫瘤が液体の入った嚢胞か充実性か、輪郭や内部の性状はどうかを見分けるのが得意です。
  • 乳腺が多い若年者(高濃度乳房)でも、腫瘤を見つけやすい利点があります。
  • 一方で、微細な石灰化の検出はマンモグラフィに劣り、結果が検査者の技量に左右されやすいという弱点があります。

体位とその理由

乳房超音波検査は仰臥位で行い、検査する側の上肢を挙上して手を頭の下に置いてもらいます。この体位にすると、乳房が胸壁の上に薄く平らに広がるので、乳腺全体を均一に観察できます。腋窩も露出されるため、腋窩リンパ節まで確認できます。乳房が大きく外側へ流れてしまう場合は、検査側の背部にタオルなどを入れて体をやや斜めにすることもあります。

前処置と実施時期

乳房は消化管や胆道とは関係がなく、食事の影響を受けません。そのため絶食の必要はありません。また、月経周期によって実施が制限されることもなく、月経中でも検査を受けられます。

看護師が行う説明と配慮

  • 上半身の衣服を脱いで検査着に着替えるので、上下が分かれた服装で来ると着替えやすいことを伝えます。
  • ゼリーを塗るとひんやりすること、痛みは基本的にないこと、終了後にゼリーを拭き取ることを事前に説明し、不安を軽減します。
  • 胸部を露出する検査なので、カーテンやバスタオルで不要な露出を避け、羞恥心に配慮します。
  • しこりや痛み、乳頭分泌物など自覚症状のある部位を確認し、検査者に伝えます。

マンモグラフィとの比較

  • 方法:マンモグラフィは乳房を圧迫板と撮影台で挟み、X線で撮影します。超音波検査は探触子をあてるだけです。
  • 体位:マンモグラフィは立位(または座位)で撮影します。超音波検査は仰臥位です。
  • 被曝:マンモグラフィには被曝があるため、妊娠の可能性を確認します。超音波検査に被曝はありません。
  • 得意分野:マンモグラフィは微細石灰化の描出、超音波検査は腫瘤の性状判定と高濃度乳房の観察を得意とし、両者は互いに補い合う関係にあります。

国の指針に基づく対策型の乳がん検診は、40歳以上を対象とした2年に1回のマンモグラフィが基本です。臨床では、症状や年齢に応じて超音波検査を組み合わせて精査します。

選択肢の確認

1.「検査当日は起床時から飲食をしないでください」:絶食が必要なのは、上腹部の超音波検査や、内視鏡・消化管造影など消化管の検査です。上腹部の超音波検査では、食後に胆嚢が収縮して観察しにくくなり、消化管内のガスも画像を妨げるため、食事を控えてもらいます。乳房は食事の影響を受けないため、飲食の制限は不要です。「超音波検査=絶食」と腹部超音波検査の知識をそのまま当てはめないよう注意します。

2.「乳房を器具で挟んで検査します」:乳房を圧迫板と撮影台で挟んで撮影するのは、マンモグラフィの説明です。圧迫には、乳腺の重なりを減らして病変を見やすくする、乳房を薄くして被曝線量を減らす、体動によるぶれを防ぐという目的があります。超音波検査は探触子を皮膚にあてて動かすだけで、乳房を挟むことはありません。

3.「月経中は検査ができません」:超音波検査は月経周期によって実施が制限されず、月経中でも受けられます。月経周期が関係するのは、マンモグラフィの圧迫痛が月経前の乳房が張る時期に強くなりやすいことや、乳房の自己検診を月経が終わって乳房の張りがおさまる時期に行うのが勧められることです。月経中を避けたほうがよい検査には、経血が混入する尿検査や子宮頸部細胞診などがあり、これらと混同しないようにします。

4.「仰向けで検査を行います」:正答。乳房超音波検査は仰臥位で行い、検査側の上肢を挙上して頭の下に手を置きます。この体位で乳房が胸壁上に平らに広がって観察しやすくなり、腋窩リンパ節も確認できます。

覚えるポイント

  • 乳房超音波検査は、仰臥位で検査側の上肢を挙上して行います。絶食は不要で、月経周期による制限もなく、被曝もありません。
  • 乳房を挟んで圧迫するのはマンモグラフィです。立位(または座位)で撮影し、被曝があるため妊娠の可能性を確認します。
  • マンモグラフィは微細石灰化の描出、超音波検査は嚢胞と充実性腫瘤の区別や高濃度乳房の観察を得意とし、両者は補い合います。
  • 絶食が必要な超音波検査は上腹部(胆嚢)の検査です。理由は、食後に胆嚢が収縮すること、消化管ガスが観察を妨げることです。
  • 乳房の自己検診は、月経が終わって乳房の張りがおさまる時期に行います。閉経後は毎月日を決めて行います。
  • 胸部を露出する検査では、露出を最小限にして羞恥心とプライバシーに配慮します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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