111PM001|第111回 看護師国家試験 過去問

平成29年(2017年)推計による日本の将来推計人口で令和47年(2065年)の将来推計人口に最も近いのはどれか。

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正解: 2

正答

2.8,800万人

この問題のポイント

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」で、令和47年(2065年)の総人口がどの程度になるかを問う問題です。出発点である平成27年(2015年)の総人口は約1億2,700万人で、それが約50年でおよそ7割の約8,800万人まで減ります。この流れをつかめているかが鍵です。あわせて、同じ時期に進む高齢化の数値も押さえておきます。

解説

将来推計人口の基本

  • 国立社会保障・人口問題研究所が、国勢調査の結果をもとにおおむね5年ごとに公表する推計です。平成29年推計は、平成27年国勢調査の総人口(約1億2,709万人)を出発点にしています。
  • 推計にはコーホート要因法を用います。出生・死亡・国際人口移動について将来の仮定を置き、男女・年齢別の人口を順に計算していく方法です。
  • 出生と死亡には、それぞれ中位・高位・低位の仮定があり、その組み合わせごとに推計が示されます。一般に「将来推計人口」として引用されるのは出生中位・死亡中位の推計です。出生中位では、令和47年の合計特殊出生率を1.44と仮定しています。
  • 推計期間は令和47年(2065年)までです。2066〜2115年については、長期参考推計が別に示されています。これは、2065年の出生率・生残率・国際人口移動率(数)などが変わらないと置いて延長したものです。

平成29年推計(出生中位・死亡中位)の主な結果

総人口は次のように推移すると見込まれています。

  • 令和22年(2040年):約1億1,092万人
  • 令和35年(2053年):約9,924万人となり、1億人を割り込む
  • 令和47年(2065年):約8,808万人

令和47年の年齢3区分別の割合は次のとおりです。

  • 年少人口(0〜14歳):約10.2%
  • 生産年齢人口(15〜64歳):約51.4%
  • 老年人口(65歳以上):約38.4%

高齢者が約2.6人に1人を占める社会になります。

仮定による幅も確認しておきます。死亡中位のまま出生の仮定を変えると、令和47年の総人口は出生高位で約9,490万人、出生低位で約8,213万人です。出生の仮定をどちらに振っても、1億人を超えたり7,000万人を下回ったりすることはありません。

正答の導き方と実践とのつながり

問題文の「平成29年推計」「令和47年(2065年)」から、中位推計の約8,808万人を思い出せれば、最も近い選択肢は8,800万人です。細かい数値があいまいでも、次の流れを押さえていれば選択肢を絞れます。

  • 出発点はおよそ1億2,700万人
  • 1億人を割るのは2050年代前半
  • 約50年で3割ほど減る

この流れから、1億人を超える選択肢3・4と、減りすぎている選択肢1を除外できます。

高齢者の割合が増える一方で、支え手となる生産年齢人口は大きく減ります。医療・介護の需要が増え、担い手は不足するという変化が同時に進みます。これが、地域包括ケアシステムの構築、在宅医療の推進、介護予防や健康寿命の延伸といった施策の背景です。人口の見通しは、在宅看護論、統合分野、社会保障制度の問題の前提となる知識です。

出題後に公表された推計

出題当時の最新推計は平成29年推計でした。現在の最新は、令和2年国勢調査を基準に令和5年(2023年)に公表された推計です。この推計では推計期間の最終年が令和52年(2070年)となりました。出生中位・死亡中位で、同年の総人口は約8,700万人、高齢化率は38.7%と見込まれています。外国人の入国超過を平成29年推計より多く仮定したことなどから、1億人を割り込む時期は令和38年(2056年)と、平成29年推計より遅くなりました。本問の正答は、あくまで出題当時の平成29年推計に基づくものです。

選択肢の確認

1.6,800万人:令和47年の総人口は、出生率を低く仮定した出生低位推計(死亡中位)でも約8,213万人で、この値とは1,400万人以上の開きがあります。この人口規模は長期参考推計の中で、令和47年からさらに数十年先に到達する水準です。長期参考推計は、2065年の出生率・生残率・国際人口移動率(数)などが2066年以降も変わらないと仮定して、2115年まで延長したものです。人口が減ること自体を仮定しているわけではありません。人口置換水準を大きく下回る出生率がそのまま続くという条件を置いた結果、人口が減り続けます。出生中位では、2115年に約5,056万人になると計算されています。減少の速さを過大に見積もったり、2065年より先の長期的な見通しと混同したりすると選びやすい値です。

2.8,800万人:正答。平成29年推計(出生中位・死亡中位)で、令和47年の総人口は約8,808万人と推計されており、選択肢の中で最も近い値です。平成27年の約1億2,709万人のおよそ7割にあたり、同じ年の高齢化率は約38.4%と見込まれています。

3.1億800万人:出生中位・死亡中位の推計では、令和22年(2040年)の約1億1,092万人と、令和27年(2045年)の約1億642万人の間にあたります。つまり2040年代前半の人口規模で、令和47年にはここからさらに2,000万人近く減ります。いわゆる「2040年問題」は、団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢者数がピークに近づく時期を指します。この時期の人口と取り違えないよう注意します。

4.1億2,800万人:総務省「人口推計」で総人口が最も多かった平成20年(2008年)の約1億2,808万人とほぼ同じ値で、推計の出発点である平成27年の約1億2,709万人にも近い水準です。出題当時の総人口も、総務省「人口推計」の令和3年(2021年)10月1日現在で約1億2,550万人であり、選択肢の中ではこの値が最も近くなります。約50年後の人口を問われているのに、現在の人口規模と取り違えると選んでしまう選択肢です。

覚えるポイント

  • 将来推計人口は国立社会保障・人口問題研究所が公表します。国勢調査の人口を出発点にコーホート要因法で推計し、通常は出生中位・死亡中位の値を用います。
  • 平成29年推計では、総人口は平成27年の約1億2,700万人から減り続けます。令和35年(2053年)に1億人を割り込み、令和47年(2065年)には約8,800万人になります。
  • 令和47年の年齢構成は、老年人口約38.4%(約2.6人に1人)、生産年齢人口約51.4%、年少人口約10.2%です。
  • 2066年以降の長期参考推計は、2065年の出生率などを一定と置いて延長したものです。人口の減少は仮定ではなく計算の結果で、出生中位では2115年に約5,056万人となります。
  • 日本の総人口のピークは平成20年(2008年)の約1億2,800万人(総務省「人口推計」)で、その後は減少が続いています。
  • 最新の令和5年推計では、令和52年(2070年)に約8,700万人、高齢化率38.7%です。どの推計の、何年の値を問われているのかを必ず確認します。

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