111PM025|第111回 看護師国家試験 過去問

最も高い照度を必要とするのはどれか。

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正解: 2

正答

2.手術野

この問題のポイント

場所ごとに必要な照度(明るさ)の大小を比べる問題です。必要な照度は「どれだけ細かく、正確に物を見分けなければならないか」で決まります。この原則を押さえていれば、微細な組織を見分けながら操作する手術野が桁違いに高いと判断できます。病室・トイレ・廊下は、療養や生活動作の安全を支えるための明るさであり、手術野とは水準が大きく異なります。

解説

照度とは

照度は、ある面にどれだけの光が当たっているかを表す量で、単位は**ルクス(lx)**です。次の量とは区別します。

  • 光源そのものの強さ:光度(単位はカンデラ)
  • 見る人の目に入る光としての明るさ・まぶしさ:輝度

点光源からの照度は距離の2乗に反比例します。そのため、光源を対象に近づけるほど照度は急激に高くなります。

必要な照度を決める考え方

推奨される照度は、日本産業規格(JIS)の照明基準に場所や作業ごとに示されており、医療施設も対象に含まれます。基本的な考え方は次のとおりです。

  • 対象が細かく、見誤りが重大な結果につながる作業ほど、高い照度が必要です。
  • 休息・睡眠の場では、明るすぎないことも大切です。
  • 通路や生活の場では、転倒などを防ぐための安全な明るさを確保します。

手術野が最も高い理由

手術では、血管・神経・臓器の境界のように細かく、色の差も小さい構造を見分けなければなりません。出血の有無や組織の色調も正確に判断する必要があります。

そのため手術室では、室内全体を照らす全般照明に加えて、術野だけを強く照らす無影灯を使います。無影灯は、複数の光源から多方向に光を当てることで、術者の頭や手の影ができにくいように設計された照明です。術野の照度は数万ルクス以上に達し、一般的な室内照明とは桁が違います。

他の場所の明るさ

  • 病室:療養と睡眠の場です。全般照明はおおむね100ルクス程度が目安とされ、診察・処置や読書のときはベッドの局所照明で明るさを補います。夜間は消灯し、足元灯(フットライト)で転倒防止に必要な明るさだけを残します。
  • トイレ・病棟の廊下:歩行や排泄動作を安全に行い、状況を確認できる明るさがあれば十分で、手術野のような高い照度は必要ありません。

看護実践での意味

照明は、療養環境を整えるうえで重要な要素です。高齢者は水晶体の混濁や瞳孔の縮小によって網膜に届く光が減るため、若年者より多くの明るさを必要とします。一方で、まぶしさ(グレア)にも弱くなります。次のような工夫が、転倒予防と睡眠の確保の両立につながります。

  • 光が直接目に入らないよう、間接照明を使う
  • 夜間の病室からトイレまでの動線を、足元灯で途切れなく照らす
  • 明るい場所と暗い場所の差を大きくしない

また観察の場面では、皮膚色・チアノーゼ・黄疸などを正しく判定するために、十分な明るさと自然光に近い光源が役立ちます。

選択肢の確認

1.病室:病室は休息と睡眠の場で、全般照明は100ルクス程度が目安です。明るすぎないことも求められます。診察や処置のときは局所照明で一時的に明るさを補いますが、それでも手術野の照度には遠く及びません。「患者が長く過ごす場所だから最も明るくすべき」と考えるのは取り違えで、照度は滞在時間ではなく、見る作業の細かさで決まります。

2.手術野:正答。微細な組織を見分け、出血などを正確に判断する必要があるため、無影灯によって数万ルクス以上の照度が確保されます。選択肢の中で最も高い照度を必要とする場所です。

3.トイレ:トイレに求められるのは、排泄動作や移動を安全に行い、排泄物の色や性状を確認できる程度の明るさです。夜間に病室から移動する場面では、急に明るくすると目が覚めてしまい、まぶしさで一時的に見えにくくもなります。足元灯などで段差なく照らす配慮が重要で、高い照度は必要ありません。

4.病棟の廊下:廊下の照明の目的は、歩行の安全を確保し、患者の様子や障害物を確認できるようにすることです。夜間は病室への光の漏れや睡眠への影響を考えて照度を落とし、足元灯で転倒防止に必要な明るさを保ちます。精密な作業は行わないため、手術野よりはるかに低い水準です。

覚えるポイント

  • 照度は面に当たる光の量で、単位はルクス(lx)です。光度(カンデラ)や輝度(まぶしさ)と区別します。
  • 必要な照度は、見る作業の細かさと正確さで決まります。高い順に、手術野(無影灯)、診察・処置の場、病室・廊下・トイレです。
  • 無影灯は、多方向からの光で術者の手や頭の影を消し、術野を数万ルクス以上で照らします。
  • 病室の全般照明はおおむね100ルクス程度です。処置時は局所照明で補い、夜間は足元灯で転倒を防ぎます。
  • 高齢者はより多くの明るさを必要としますが、グレアに弱くなります。間接照明を使い、明暗差を減らし、夜間の動線を足元灯で照らします。
  • 療養環境の関連知識として、騒音の環境基準は、療養施設が集まる地域など特に静かさが必要な地域(AA地域)で、昼間50dB以下、夜間40dB以下です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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