112AM059|第112回 看護師国家試験 過去問

正常な幼児期の基本的生活習慣で、2歳0か月ころまでに習得するのはどれか。

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正解: 2

正答

2.スプーンを使う。

この問題のポイント

幼児期の基本的生活習慣(食事・睡眠・排泄・清潔・着脱衣)が、いつごろ自立するかを問う問題です。鍵は「2歳0か月ころまで」という時期の条件です。それぞれの行為に必要な手指の巧緻性、身体機能の成熟、認知・言語の発達を考えると、1歳半ごろから始まるスプーンの使用だけがこの条件に当てはまります。ほかの3つは、いずれも3歳以降に習得する行為です。

解説

基本的生活習慣と発達の土台

基本的生活習慣とは、食事・睡眠・排泄・清潔・着脱衣の5つを指し、幼児期を通じて段階的に自立していきます。食事・睡眠・排泄は生理的な欲求に根ざした習慣、清潔・着脱衣は社会的・文化的な意味合いの強い習慣と整理されることがあります。

どの習慣も、運動機能(粗大運動・微細運動)、身体機能の成熟、認知・言語の発達が土台になります。そのため「その行為をするには何ができている必要があるか」から考えると、習得の順序を丸暗記しなくても判断しやすくなります。

食事の自立の流れ

  • 1歳前後:手づかみ食べが盛んになり、コップを持って飲もうとする
  • 1歳6か月ごろ:スプーンを握って、自分で食べようとする
  • 2歳ごろ:こぼしながらもスプーンで食べられる
  • 3歳ごろ:箸を使い始め、こぼすことが減る

スプーンの持ち方にも発達の段階があります。最初は手のひら全体で上から握る持ち方で、次に下から支える持ち方、やがて鉛筆持ちへと変わっていきます。鉛筆持ちができるようになると、箸への移行が進みます。つまりスプーンは、握る動作ができれば使い始められる道具であり、2歳0か月ころまでに習得する行為として位置づけられます。

ほかの習慣の目安

  • 排泄:1歳6か月〜2歳ごろに尿意を知らせるようになります。昼間のおむつがとれるのは2歳半〜3歳ごろ、夜間のおむつがとれるのはさらに遅く3〜4歳ごろです。
  • 清潔:3歳前後に手洗いやうがい、3〜4歳ごろに鼻をかめるようになります。歯みがきは自分でするようになっても、学童期に入ってしばらくは保護者の仕上げみがきが勧められます。
  • 着脱衣:2歳ごろに自分で脱ごうとし、3歳ごろに簡単な衣服を着ようとします。ボタンをとめられるのは3歳半〜4歳ごろです。

看護実践での活かし方

これらの時期はあくまで目安で、個人差や生活環境の影響が大きいことを前提にします。1歳6か月児健康診査と3歳児健康診査は、母子保健法に基づいて市町村が実施するもので、生活習慣の自立の状況を確認する場面にもなります。

保護者への助言では、月齢だけで判断せず、子どもの準備性(レディネス)を見極めることが大切です。たとえばトイレットトレーニングを始める目安は、一人で歩ける、排尿の間隔が2時間程度あく、言葉やしぐさで意思を伝えられる、といった点です。夜間のおむつは本人の意思では調整できません。夜間の尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌リズムと、膀胱容量の成熟に左右されるため、叱ったり夜中に無理に起こしたりしないよう伝えます。5歳以降も夜尿が続く場合は、夜尿症として扱います。

また、入院や弟妹の誕生などをきっかけに、身についていた習慣が一時的にできなくなる退行が起こることがあります。小児の入院時には、入院前の自立状況(スプーンの使用、おむつの有無、排泄の伝え方など)を把握し、病棟でも継続できるように援助します。

選択肢の確認

1.鼻をかむ。:鼻をかめるようになるのは3〜4歳ごろで、2歳0か月では難しい行為です。鼻をかむには、片方の鼻孔を押さえ、口を閉じたまま鼻からだけ息を強く出す必要があります。こうした呼吸のコントロールと、指示の意味を理解する力が求められます。2歳ごろは口から息を吐いてしまうことが多いため、大人が拭き取ったり鼻吸い器で吸引したりして援助する時期です。清潔の習慣は、手洗い・うがい(3歳前後)に続いて鼻をかむ(3〜4歳)が身につく、という順序で覚えます。

2.スプーンを使う。:正答。1歳6か月ごろからスプーンを握って自分で食べようとし、2歳ごろにはこぼしながらもスプーンで食べられるようになります。手づかみ食べ(1歳前後)からスプーン、箸(3歳ごろ)へと進む食事の自立の流れの中で、2歳0か月ころまでに習得する段階にあたります。スプーンを上手に扱えることは、のちに箸を使うための手指の準備にもなります。

3.夜間のおむつがとれる。:夜間のおむつがとれるのは3〜4歳ごろが目安で、個人差がとても大きい行為です。排泄の自立は、尿意を知らせる(1歳6か月〜2歳)、昼間のおむつがとれる(2歳半〜3歳)、夜間のおむつがとれる(3〜4歳)の順に進みます。夜間の排尿は、抗利尿ホルモンの分泌や膀胱容量の成熟に左右されるため、しつけで早めることはできません。2歳ごろに見られる「おしっこを知らせる」と取り違えないよう注意します。5歳以降も夜尿が続く場合は、夜尿症として扱います。

4.洋服のボタンをとめる。:ボタンをとめられるようになるのは3歳半〜4歳ごろで、2歳0か月ではまだ難しい行為です。ボタンをとめるには、指先でつまむ細かな動作、左右の手を別々に動かす両手の協調、目と手の協調が必要です。しかも胸元など見えにくい位置で操作しなければなりません。着脱衣は「脱ぐ(2歳ごろ)→着る(3歳ごろ)→ボタンをとめる(3歳半〜4歳)」の順に進みます。2歳ごろに見られる「自分で脱ごうとする」と混同しやすいので区別します。

覚えるポイント

  • 基本的生活習慣は、食事・睡眠・排泄・清潔・着脱衣の5つです。
  • 食事:手づかみ食べ(1歳前後)→スプーン(1歳半〜2歳)→箸(3歳ごろ)の順に進みます。
  • 排泄:尿意を知らせる(1歳半〜2歳)→昼間のおむつがとれる(2歳半〜3歳)→夜間のおむつがとれる(3〜4歳)の順です。5歳以降も続く夜尿は夜尿症として扱います。
  • 清潔は手洗い・うがい(3歳前後)→鼻をかむ(3〜4歳)、着脱衣は脱ぐ(2歳)→着る(3歳)→ボタン(3歳半〜4歳)の順です。
  • 迷ったときは「その行為に必要な手指の巧緻性、身体機能、理解力がそろう時期か」で考えます。握る動作だけで使えるスプーンが最も早く習得されます。
  • 時期は目安です。準備性を見極め、叱らずに援助します。入院などで退行することがあるため、入院前の自立状況を把握して継続します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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