112PM006|第112回 看護師国家試験 過去問
大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。
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正解: 2
正答
2.1歳6か月
この問題のポイント
乳児の頭蓋にある泉門のうち、大泉門の閉鎖時期を問う基本問題です。大泉門は「1歳〜1歳6か月ごろ」、小泉門は「生後1〜2か月ごろ」に閉鎖します。この2つの時期を対にして覚え、取り違えないことが鍵です。閉鎖が早すぎる・遅すぎる場合や、膨隆・陥凹が何を意味するかも一緒に問われやすい知識です。
解説
泉門とは何か
新生児の頭蓋骨(前頭骨、頭頂骨、後頭骨など)は、縫合でつながっているもののまだ癒合していません。縫合が交わる部分には骨のない膜状の部分が残っており、これを泉門といいます。
- 大泉門:前頭骨と左右の頭頂骨の間にあり、矢状縫合と冠状縫合が交わる部分です。ひし形で、出生時の大きさはおよそ2〜3cmです。大きさは向かい合う辺と辺の距離(対辺間の距離)で表します。
- 小泉門:左右の頭頂骨と後頭骨の間にあり、矢状縫合とラムダ縫合が交わる部分です。三角形で、出生時からごく小さく、指先で触れる程度です。
泉門と縫合には2つの役割があります。1つは、分娩時に頭蓋骨どうしが重なり合って児頭を小さくし、産道を通りやすくすること(応形機能、骨重積)です。もう1つは、出生後の脳の急速な発育に合わせて頭蓋が広がれるようにすることです。
閉鎖の時期
大泉門は、生後しばらくは頭囲の増大に伴ってやや大きく感じられることもあります。その後しだいに縮小し、1歳〜1歳6か月ごろに閉鎖します。選択肢の中でこの時期に最も近いのは「1歳6か月」です。
小泉門は大泉門よりずっと早く、生後1〜2か月ごろに閉鎖します。「早く閉じる小さい方が小泉門、遅くまで開いている大きい方が大泉門」と整理しておくと混同しません。
臨床での観察と意味
大泉門は、頭蓋内の状態を体表から推し量れる貴重な観察部位です。
- 膨隆・緊満:頭蓋内圧亢進を示します。髄膜炎、水頭症、頭蓋内出血などを疑い、発熱、嘔吐、不機嫌、けいれん、意識状態とあわせて評価します。
- 陥凹:脱水を示します。体重減少、尿量減少、口腔粘膜の乾燥、皮膚の張り(ツルゴール)の低下とあわせて判断します。
- 観察方法:泣いたりいきんだりしていると一時的に膨隆して見えるため、安静時に抱っこや座位の姿勢で、指の腹でやさしく触れて確認します。
閉鎖時期そのものの異常にも意味があります。
- 閉鎖遅延(大きく開いたまま):先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、くる病、水頭症、ダウン症候群、骨形成不全症などを考えます。
- 早期閉鎖:頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)や小頭症を考えます。泉門だけで判断せず、頭囲の推移や頭の形とあわせて評価します。
乳幼児健康診査では、頭囲測定とともに大泉門の大きさや張りを確認し、発育の評価に役立てます。なお、母子保健法に基づいて市町村が行う1歳6か月児健康診査の時期は、大泉門閉鎖の目安とちょうど重なるので、関連づけて覚えると記憶に残りやすくなります。
選択肢の確認
1.6か月:生後半年の時期は、小泉門はすでに閉じていますが、大泉門はまだ開いていて指ではっきり触れられるのが普通です。この時期に大泉門が閉じていれば早期閉鎖であり、頭蓋骨縫合早期癒合症や小頭症を疑って、頭囲の推移とあわせて評価する必要があります。「小泉門は早く閉じる」という知識と混同したり、乳歯が生え始める時期(生後6〜8か月ごろ)と取り違えたりしやすい選択肢です。
2.1歳6か月:正答。大泉門は1歳〜1歳6か月ごろに閉鎖するため、選択肢の中で最も近い時期です。この時期を大きく過ぎても大泉門が開いたままであれば閉鎖遅延と考え、甲状腺機能低下症や水頭症などを念頭に精査につなげます。
3.2歳6か月:この時期には、正常な発育をしている子どもの大泉門はすでに閉鎖しています。この年齢でまだ開いている場合は閉鎖遅延であり、先天性甲状腺機能低下症、くる病、水頭症などの可能性を考えます。乳歯20本が生えそろう時期(2歳半〜3歳ごろ)と混同しないよう注意が必要です。
4.3歳6か月:大泉門の閉鎖時期としては明らかに遅く、この年齢で開いていれば明確な異常所見として精査の対象になります。3歳児健康診査の時期と重なるため数字の印象で選びやすいのですが、大泉門の閉鎖はそれより2年ほど早い時期に完了します。
覚えるポイント
- 大泉門:前頭骨と左右頭頂骨の間にあるひし形の泉門で、出生時はおよそ2〜3cm、1歳〜1歳6か月ごろに閉鎖します。
- 小泉門:左右頭頂骨と後頭骨の間にある三角形の泉門で、生後1〜2か月ごろに閉鎖します。
- 大泉門の膨隆は頭蓋内圧亢進(髄膜炎、水頭症、頭蓋内出血など)、陥凹は脱水を示します。啼泣時は一時的に膨隆するため、安静時に観察します。
- 閉鎖遅延はクレチン症、くる病、水頭症、ダウン症候群などを疑います。早期閉鎖は頭蓋骨縫合早期癒合症や小頭症を疑い、頭囲とセットで評価します。
- 関連する発育の目安も押さえます。乳歯の萌出開始は生後6〜8か月ごろ、乳歯20本がそろうのは2歳半〜3歳ごろです。出生時は頭囲(約33cm)が胸囲(約32cm)より大きく、1歳ごろに両者がほぼ等しくなります。
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