113AM112|第113回 看護師国家試験 過去問
次の文を読み112〜114 の問いに答えよ。 A さん(22 歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、 転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じた A さんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害 autism spectrum disorder と診断された。 A さんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を 築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたた めに、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物 が多く、集団生活になじめなかった。 A さんに認められるのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断において、中核症状として「社会的コミュニケーションと対人相互反応の欠陥」が重要です。事例からその症状が明確に示されているかを読み取ることが鍵です。
解説
Aさんは「他人の気持ちが理解できない」「対人関係を築くのが苦手」「同僚との関係がうまく築けず転職を繰り返す」と述べており、これはASDの典型的な症状に該当します。特に「他人の気持ちが理解できない」という表現は、社会的コミュニケーションの障害を示しており、DSM-5の診断基準に一致します。また、小学生時代からの孤立、集団生活に適応できず、忘れ物が多いことなども、コミュニケーションの困難を裏付けています。これらの経験は、ASDの発達早期からの持続的な課題として認識されます。
選択肢の確認
1.被害妄想:誰かに危害が及んでいると信じる症状で、Aさんの経験には該当しない。将来への不安は漠然しており、被害妄想とは異なる。
2.予期不安:パニック発作の恐れによる行動制限で、Aさんの症状とは関連性が薄い。将来への不安は漠然で、具体的な予期不安の特徴を示さない。
3.ボディイメージの障害:身体の認識に歪みがある場合だが、Aさんは「るいそうがみられた」という記述があり、身体像の歪みに関する明確な主張はない。
4.コミュニケーションの障害:Aさんの「他人の気持ちが理解できない」「対人関係の困難」「集団生活に適応できない」経験は、ASDの中核症状として明確に認められる。
覚えるポイント
ASDの診断では「社会的コミュニケーションの障害」と「行動の限定または反復」が重要。事例から「対人関係の困難」「気持ちの理解不能」が明確に示されれば、コミュニケーションの障害が認められる。