19PM043|第19回 言語聴覚士国家試験 過去問
下線部(【】内)が形態音韻論的交替でないのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
形態音韻論的交替は、形態素の結合や文法環境に伴って同じ形態素の音形が交替する現象である。「本棚」hon-danaと「本箱」hom-bakoのn/mの違いは、撥音/N/が後続音に同化して異なる音声で実現したもので、形態素の音韻的交替ではない。
解説
日本語の撥音/N/は後続子音の調音点に応じ、歯茎音前では[n]、両唇音前では[m]、軟口蓋音前では[ŋ]などになる。これは同一音素/N/の予測可能な異音であり、語彙・形態条件で別の音素形が選ばれる交替とは区別する。他の例では複合に伴う母音交替、受身・可能の異形態、連濁、/h/と/p/の歴史的・形態的対応など、形態境界と結び付いた音形変化を示す。表記された音声の違いが直ちに形態音韻交替とは限らない。
選択肢の確認
1.ame―amaasi:形態音韻論的交替である。雨の語幹末母音e/aが複合語形成で交替する。
2.nomareru―mirareru:形態音韻論的交替である。受身接辞が語幹類により-are/-rareの形をとる。
3.niwatori―hinadori:形態音韻論的交替である。複合語の後部要素に連濁t/dが生じる。
4.hondana―hombako:該当しない。同じ撥音/N/が後続の両唇音/b/に音声同化した異音差である。
5.kaihatu―hampatu:形態音韻論的交替である。後部要素に/h/と/p/の対応が現れる。
覚えるポイント
撥音の[n][m][ŋ]は後続音で決まる異音。同一音素の音声同化と、形態素の異形態・連濁を分ける。