第23回・2021年

23PM044|第23回 言語聴覚士国家試験 過去問

記述主義的な態度でないのはどれか。

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正解4

正答

(4)

この問題のポイント

記述主義は実際の言語使用を価値判断せず観察・記録する態度である。「食べれる」を「食べられる」へ直す介入は規範主義的である。

解説

言語学の記述主義は、どの形式が正しいかをあらかじめ決めるのではなく、話者が実際に用いる発音、アクセント、敬語、格助詞などの変異を資料として記述する。したがって複数形式を使う人数や割合を記録する調査は記述主義に沿う。一方、いわゆる「ら抜きことば」を標準的形式へ修正させ、修正できた割合を測る行為は、望ましい形式を設定して使用を変える介入であり規範主義的態度を含む。方言・世代差・新語を誤用と即断せず、観察記述と教育的修正の目的を分けて考える。

選択肢の確認

1.「[saŋa]と発音する人の割合と[saɣa]と発音する人の割合を記録した。」:[saŋa]と[saɣa]の使用割合を価値判断せず記録するのは発音変異の記述である。
2.「「行く」の尊敬語として「行かれる」を使う人の割合を記録した。」:行くの尊敬語として行かれるを使う割合の記録は、実際の敬語使用を観察する記述的調査である。
3.「「高く」のアクセントが100人の被検者でどのような型に分かれるか記録した。」:高くのアクセント型の分布を被検者間で記録するのはアクセント変異の記述である。
4.「「食べれる」と言っていた人に介入することで、一定期間後に「食べられる」と言うようになった人の割合を記録した。」:食べれるを食べられるへ変える介入は一方を正しい形式として矯正するため記述主義的でない。
5.「「ボルダリングに挑戦する」と言う人と「ボルダリングを挑戦する」と言う人との割合を記録した。」:挑戦するの格助詞「に」と「を」の使用割合を記録するのは文法変異の記述である。

覚えるポイント

記述主義=実態をそのまま集める。規範主義=正しいと定めた形式へ直す。観察と介入を区別する。

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