26PM036|第26回 言語聴覚士国家試験 過去問
後続母音による条件異音でないのはどれか。 a.[z] ——— [dz] b.[l] ——— [ɾ] c.[dz] ——— [dʑ] d.[t] ——— [tɕ] e.[n] ——— [ɲ]
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正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
aの[z]と[dz]、bの[l]と[ɾ]は、後続母音の違いによって規則的に現れる条件異音の組ではありません。c・d・eは/i/の前での口蓋化に関係します。
解説
条件異音とは、同じ音素が周囲の音環境に応じて予測可能な別の音声として実現する関係です。日本語では歯茎音が/i/の前で口蓋化し、/z/は[ʑ]または破擦的[dʑ]、/t/は[tɕ]、/n/は[ɲ]に近くなります。したがって[dz]―[dʑ]、[t]―[tɕ]、[n]―[ɲ]は後続母音による位置・調音様式の変化として説明できます。一方、[z]と[dz]の摩擦音・破擦音の交替は語頭、撥音後、話者差などに左右され、単純に後続母音だけでは決まりません。[l]と[ɾ]の側面音・はじき音の差も、日本語の通常の母音環境に基づく規則的対立ではありません。
選択肢の確認
1.(a・b)「a・b」はどちらも後続母音だけで決まる条件異音でないため○です。
2.(a・e)「a・e」はaは該当しますが、[n]―[ɲ]のeは/i/前の口蓋化なので×です。
3.(b・c)「b・c」はbは該当しますが、[dz]―[dʑ]のcは後続母音の影響を受けるため×です。
4.(c・d)「c・d」はいずれも/i/前の口蓋化として説明できるため×です。
5.(d・e)「d・e」は[t]―[tɕ]、[n]―[ɲ]とも後続/i/による条件異音なので×です。
覚えるポイント
/i/は舌の前方・高位を要求し、先行子音を口蓋化しやすい母音です。摩擦・破擦の変異は語位置など別の条件も確認します。